ミッドナイト・スネーク 絡み合う毒牙         「評価 C」

人妻グウィンには秘密があった。不倫相手の男に結婚していたことがばれ、怒りのあまりストーカーと化した男から連日執拗に電話をかけられていたのだ。夫の昆虫学者アダムにそのことを打ち明けられず鬱屈とした日々を過ごすグウィン。ある日彼女はアダムが人里離れた山奥に昆虫の生態調査に行くというので、一緒についていくことにした。「自殺者の峡谷」と呼ばれるその地は携帯電話の電波も届かないため、厄介な相手の電話が届くこともない。悩みの種から解放され、夫と水入らずで幸せな時間が過ぎ去って行った。ところが川のほとりにテントを張って一夜を過ごそうとしたとき、事件は起こった。凶悪な毒蛇ブラックマンバがテントの中に入り込み、2人の体の上をヌルヌルと這い出したではないか。もし取り乱してブラックマンバを刺激でもしたら、即座に噛まれて地獄行き。2人は冷静であるように努め、ゆっくりゆっくりと動いてブラックマンバの難を逃れようとする。ところがそんな時に限って、アダムがグウィンの携帯電話の履歴を見てしまったからさあ大変。妻の浮気を知ったアダムは激しく動揺し、ブラックマンバと隣り合わせなのもお構いなしに妻を責め始めた…。

本編の大半がテントの中で進行する、南アフリカ産のシチュエーションスリラー。多くの蛇映画において緊迫感を高めるハイライトとなっている「蛇に睨まれて身動きの取れない場面」を1時間近く展開させるというアイディアは確かに面白いものがあり、動きのない膠着状態が延々と続くにもかかわらず、テントの閉塞感も相俟ってなかなかの緊張感を味わえた。ライトやナイフや寝袋やガスランプなどキャンプ道具を駆使した作戦も次々出てきて飽きさせない。ただこの映画、テントに行くまでが冗長気味。大した伏線を張っているわけでもないし、無駄な描写が続いてなかなか極限状態に至らないのにはやきもきさせられた。


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