人口217人の小さな町プレザント・クリーク。ここの牧場で家畜が大量死する事件が発生し、原因究明のため科学者カレンがやってきた。しかし調査の途中、町の少女が突然意識を失う。幸い命に別状は無かったものの、どうやら牧場の地中からで火山活動に由来する有害なガスが噴出しているらしい。とその直後、テレビのニュースでは恐ろしい事態が知らされる。中部太平洋で大規模な地震が発生し、アメリカ西海岸の都市は津波に飲み込まれて消滅したとのことだ。地球規模の地殻変動により、全米各地が噴火と地震と津波で壊滅的な被害を受けている──。そうと知ったカレンは町の住民たちと共に、岩盤が安定している安全な地を探して移動することにした…。
住民総出で大移動しながら様々な災害に見舞われる終末サバイバルロードムービー。冒頭の津波でサンフランシスコが飲み込まれる映像、ラストの火山噴火の映像はなかなかの迫力ではあるものの、その間の災害描写はあまり褒められたものではない。地面が小規模爆発を起こしたり、地震で車が崖から転落したり、ガスが溢れたりと、作中の災害スケールに反したチマチマしたものばかりで切迫感にも乏しく、ビジュアル的にもストーリー的にも見応えに欠けた。また本作、説教臭い会話が延々と展開するのもマイナス。ただ説教臭くても、安楽死をさせるかの葛藤や、食糧が無くなって人間を食べるべきかの議論などはあくまで普遍的な領域に収められており、終末映画にありがちな変な宗教色は控え目になっていたのは好漢が持てた。