都市壊滅 デストラクション         「評価 C」

石油会社の強引な採掘により、水が汚染された町。救命士にして環境保護活動家のジョーンは友人のジェフと共に、採掘に抗議するため油井の近くで気球を飛ばす活動を行った。気球の接近を知り社長のチャンドラーは慌てて稼働停止を命令する。ところが連絡が遅れ、気球は吹き飛ばされて高圧電線に衝突。ジェフが命を落とす惨事となった。その後、ジョーンは家に引きこもって自堕落な日々に。夫と娘が外に出るように促しても全く聞く耳を持ってはくれなかった。そんなある日、娘ペイジは陸上部の遠征のため、夫が運転するスクールバスに乗って近くの町サマービルへと出発した。そして近道をするため交通量の少ない道路に入ったところで、事件が発生。突然地面が崩れ、バスは深い穴に転落。石油会社の採掘が祟って大規模地盤沈下が発生し、サマービルの至る所で巨大な穴ができていたのだ。幸いにもバスは岩棚に乗り、被害は最小限で済んだものの、側壁が崩れて地獄の底に転がり落ちるのも時間の問題だ。この事態を知ったジョーンは夫と娘を救うため、現場に出動した…。

地盤沈下で落下の危機に瀕したバスからの救助活動が行われる、「ジェットローラー・バス」と同系統のパニック映画。「ジェットローラー・バス」はエゴ剥き出しな大人たちが殊更にストレスを溜める作りだったが、本作はそのようなストレス要素は少な目。ジョーンは自分の行動が原因で仲間を死なせたことを悔やみ続けるし、パニックを起こす人間は真っ先に死亡するし、地盤沈下を引き起こした社長もキッチリ制裁を受けて溜飲を下げてくれた。ただ一方でドラマ的なパンチには欠けるから難しいものだ。
そんな本作の見所は、何と言っても珍しい救助方法に尽きる。ジョーンの立ち直りを示すものとしてこの上ない方法だし、暗い穴のくすんだ絵面とのコントラストも良かった。


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