シャーク・ショック           「評価 B」

アメリカ南部の湿地帯。トレーラーハウスの集落ソギー・メドウズでは、多くの住民が決して豊かではなくとも明るく楽しく過ごしていた。しかしそれが面白くないのは土地所有者で金貸しのデコナー。彼は違法滞在している住民たちを一掃するため、近くの堤防を決壊させて集落を沈めてしまおうと画策した。やがて雇われた男たちが堤防にワゴン車を乗り付け、仕掛けた爆弾で車ごと堤防を爆破。堤防は無残な姿に変わり果て、大量の水でトレーラーハウスを押し流していった。これで目論見は成功かと思いきや、ちょうどそのころ近くの湖沼では住民のロブが町に電気を引こうと作業を行っていた。彼は現場から逃げる男の姿をカメラに収めており、もしこれが公になればデコナーは破滅を免れない。そうと知ったデコナーはカメラを奪取するべく現場に急行した。一方で住民たちは沈みゆくトレーラーハウスから辛くも脱出したものの、更なる災難が舞い込んだ。全身から高圧電流を放出する新種のサメが、獲物を求めて堤防の向こうからやってきたのだ。このサメはロブのカメラも飲み込んでおり、ロブたちは命を守るため、そして悪を摘発するため、サメと闘う決意をした…。

「シン・ジョーズ」「ゴースト・シャーク」のグリフ・ファースト監督による電気ザメ映画。感電させて獲物の意識を奪い、動けなくなったところを悠然と捕食する。クレバーな流れが見ていて気持ちのよい、大変魅力的なサメだ。グリフ・ファースト作品なだけあって捕食場面もなかなか凝っており、馬を頭から食らう、真下から噛み砕きジャンプ、背後からの捕食スライドなど見応えある映像が目白押し。退治方法が一捻りしてあり、何度も形勢が入れ替わる終盤の展開も楽しかった。
そして本作、個性豊かな住民たちの会話がふんだんに盛り込まれており、全体的に陽気な雰囲気に満ちているのも良いところ。おかげで嫌な気分にならずにサメと人間の攻防を満喫できる、良作のサメ映画だ。


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