ゾンビー 最凶ゾンビ蜂襲来           「評価 D」

ある日突然、世界各地で暴動が発生。都市部は略奪と放火が頻発する無法地帯となり、ジェイBらは災難を逃れるために郊外へと向かっていた。荒野で私有地を通ろうとして地元住民と一悶着していたところ、保安官フィアーゴーが駆けつける。とそこへ更なる災厄が訪れた。全長20センチはあろう巨大蜂の大群が、荒野の奥から襲いかかってきたのだ。この未知の蜂に刺された人間はゾンビとなり、見境なく人間を襲うようになる。ジェイBの友人までゾンビになってしまう中、一同は安住の地を求めて移動を続け、一軒の家に辿り着いた。住民の協力を得て家の中に避難するが、蜂とゾンビの襲撃は相次ぎ犠牲者は増えるばかり。極限状況の果てにフィアーゴーは、己の信仰について考えるようになる…。

軍人がゾンビになった「プラネット・オブ・ザ・デッド」のミルコ・デイヴィス監督による、蜂がゾンビを量産する終末パニック映画。巨大蜂はVFXこそ拙いものの、蜂主観で追いかけるカットや、壁を掘って穴を潜ろうとするカットなど、新鮮なビジュアルが多く用意されていてその点は見応えがあった。ゾンビたちもゴア描写こそ無いものの蜂以上に神出鬼没な活躍で楽しませてくれる。
そんな本作の最大の問題点は、やはり宗教色が濃くなる後半部分にある。大人しくゾンビや蜂との戦いに専念していればいいものを、終末っぽさを演出しようとしてなのか罪の救済とか信仰への疑念とかの内省的ワールドに突入。こちらの熱量をどん底まで冷えさせたところでブツ切れのオチが訪れ、あまりの理解し難さに唖然とさせられる。5か月後に飛ぶラストも必然性が見られず、到底評価はできない作品だった。


蜂映画一覧へ
TOP PAGE