カリフォルニア・ブロウ          「評価 C」

ロサンゼルスで地震が発生。発電所が爆発により崩壊した。市はガス管の破裂によるものと発表するが、実は地下では断層に異変が生じ、マグマチューブが破裂寸前な状況に陥っていた。その頃売れない脚本家のジョシュは、ようやく仕事が舞い込んできたと思ったら既存の脚本の書き直しで落胆。それでも渋々引き受けると、主人公のモデルとなる地震学者のアーウィン博士に取材として同行することになった。アーウィン博士は地震の原因を探っている最中であり、ジョシュらと共にヘリに乗って空からロサンゼルスを見て回る。とその矢先、目の前で大規模な火山噴火が発生。無数の火山弾が市街地を破壊する大惨事に。更にマグマチューブの溶岩が移動を開始し、このままではガス貯蔵施設が大爆発を起こして沿岸地帯は壊滅的な被害を蒙ることが判明した。政府が事態打開のため断層にミサイルを撃ち込んで溶岩の流れを変えようとしたものの、溶岩は直進するばかりで効き目ゼロ。アーウィン博士は事態解決に奔走するものの、溶岩に呑まれて敢え無く死亡。代わりに事態解決を託されたのはジョシュだった。火山パニック映画の脚本執筆のため地質学の知識を蓄えていた彼は、水力発電所を爆破して溶岩を止める作戦を打ち立てた…。

都会のど真ん中で溶岩が溢れ出す「ボルケーノ」タイプの火山映画。モノホンの災害にパニック映画の脚本家が立ち向かうという「フライトナイト」的なシチュエーションで期待させてくれるものの、蓄えているのが現実でも通用する専門知識につき、映画と現実のギャップといった「映画のための知識」ならではの面白さに繋がっていないのが残念なところ。ただしこの映画、「主人公が過去に脚本を書いた火山映画」というトピックスを使った会話が大変生き生きとしていて、映画全体に軽妙なユーモアを与えていた。その点では脚本家が主人公という特色を活かしている作品だった。
また災害描写は、地面が崩れ落ちる場面など至近距離での場面は貧相さが目に付くものの、爆発や火山弾の映像はなかなかの迫力。パニック映画としても及第点と呼べる出来だった。


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