田舎町レノックスにクリスマスが訪れた。住民たちみんなが浮かれ気分で街に繰り出してサーカスのような大賑わいの中、実業家のベンが近々誘致する大型商業施設について演説を始めた。とその時、事件は起こった。町の中心地に隕石が落下。隕石自体はそれほど大きくは無くクレーターも微小なものだったが、本当の災難はここから始まった。クレーターから噴き上がる冷気があらゆるものを凍らせていき、平凡な田舎町の住民たちはたちまち窮地に追いやられてしまった。ベンの部下のチャーリーが人命救助に追われる中、隕石を追って町にやってきた天体物理学者のアレックスと合流。どうやら落下した隕石は際限なく冷気を放出して被害範囲を拡大させていくらしい。押し寄せる寒波から逃げ回りながら対策を探っていると、熱源のある場所は寒波に襲われないことを発見。また隕石が落下寸前に2つに分かれており、冷気を放つ片方は市街地に、高熱を放つ片方は近くの山に落ちていたことが判明する。この2つの隕石をぶつけ合わせれば被害は収束に向かうかもしれない。そこでチャーリーたちはもう1つの隕石を探すために、寒波が覆う山に向かった…。
「ジュラシックウォーズ」のジョナサン・ウィンフリー監督による天体&凍結パニック映画。特筆すべきは冷気による災害のバリエーションだ。「デイ・アフター・トゥモロー」の如く人間を瞬間凍結させる寒波。「モノリス・モンスター」の如く巨大化して地中からせり上がる氷塊。氷塊が破裂して「フローズン・ハザード」の如く全てを貫く雹。この災厄三重奏が代わる代わる襲いかかり、凍った人間が砕け散るビジュアルのえげつなさもなかなか。また襲われる側も車にボートにヘリと豊富なシチュエーションで対処するため全く飽きさせない。災害の変化に富んだ見せ方はストーリー性皆無なアクションだけで1本の映画を持たせた「ジュラシックウォーズ」の監督の面目躍如といった感じだ。更にこの映画、災害の原因こそ荒唐無稽だがストーリー自体は結構しっかりしている。昔気質で良好な人間関係を築けないチャーリーと、偉そうだけど根は小心者のベン。タイプの違う2人のダメオヤジが家族のために奮闘する姿はとても心に染みるものがあった。