アルマゲドン・オブ・ザ・デッド           「評価 C」

かつて一世を風靡した歌手のエミリー。しかし今となっては昔の栄光は見る影もなく、会社の意向でダサいプロモを作られ素人同然のメンバーとバンドを組まされ、全国ツアーの一環としてイタリアの田舎町へと飛ばされる羽目になった。当然乗り気ではないエミリーは他のメンバーと軋轢が絶えない。一方その頃、突如出現した小惑星ジャックが地球に接近。このままでは地球に衝突することが予測された。諸外国は対策を話し合い、ミサイルを発射。無事小惑星は破壊されたが、その破片がエミリーたちが滞在する田舎町の近くに落下した。翌朝エミリーたちが目を覚ますと、町は異様なまでに静まり返っていた。怪訝に思う一行だったが、すぐに原因が判明した。住民たちは突然変異により全身が黒く染まったゾンビと化しており、生きた人間を襲っては自分たちの仲間にしていたのだ。ゾンビたちから逃げ惑うエミリーたち。しかしそんな中で、彼女は千年前の前世から引き継がれた神秘の力が覚醒した。ゾンビたちを殴って粉々にできるようになり形勢逆転。事態を収拾するべく、ゾンビが集まっている光の柱に向かった…。

落下した隕石の影響でゾンビが大量発生する天体パニックゾンビ映画。序盤で展開する天体パニックがあまりにも稚拙な映像でゲンナリさせられるものの、本題となるゾンビパニックの方は映像的に見応えがあった。引っ張り寄せる棒からのアングルなど撮影技巧が凝っているし、アクション場面のカット割りのテンポも小気味よい。ゾンビを粉々に粉砕するのをスロー映像で見せるカットはなかなか格好よく、静止画を連続させて表現されたゾンビの不気味な動きも良かった。ただ脚本の方は無駄に難解かつ緩慢で、映像面での長所が相殺されているのが残念に感じられた。


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