アルマゲドン2014             「評価 D」

天文台で働く研修生エバンが、地球に接近する小惑星を発見。急速なスピードで迫ってきており、10日後には地球と衝突し壊滅的な被害をもたらすことが明らかになった。更に小惑星接近の影響か、世界各地では雷に洪水などの異常気象が続発。この事態に対し直ちに世界各国は協力体制を結び、小惑星に核弾頭を撃ち込む計画を立案した。着々と準備が進められるものの、物理学の天才でもあるエバンの見解では、世界中の核弾頭を掻き集めたとしても小惑星の破壊は不可能とのことだった。そこで代案として、1つの大胆な計画がひねり出された。核弾頭を小惑星ではなく地球のコアに落として炸裂させ、地球の軌道を変えることで小惑星を回避するというものだ。しかしこの計画では地球全体の破滅こそ免れるが、巨大な地震が発生して多くの国が壊滅することは避けられず、とても諸外国の理解は得られない。なので米軍は地球物理学者のマリサの協力のもと、秘密裏に潜水艦を出すことにした。領海侵犯された中国の潜水艦に攻撃され、津波が発生して巻き込まれ、幾度もの苦難を掻い潜りながら、潜水艦は核弾頭の投下ポイントとなる海溝へと向かう…。

「天体をどうにかするのではなく地球を動かす」という「妖星ゴラス」テイストな対策がとられる、アサイラム産の天体パニック映画。でも「妖星ゴラス」では何年もかけて南極にジェットパイプを建造する長大な対策がとられたのに対し、本作のタイムリミットは僅か10日間しかないというウルトラハードモード。その間に地球の軌道を変えるのだから無理が生じるのは仕方ないとは言え、結果として多くの国を何の了承も得ずに犠牲として捧げる悲惨な対策がとられ、それに対する何のフォローもないまま映画が終わってしまうから気が滅入ってしょうがなかった。
また災害描写も本作はあまり楽しむことはできない。核弾頭を撃ち込まれた小惑星の破片が中国南部に落下する天体衝突場面はじめ、雷に洪水に火山噴火に津波と多種多様な災害が盛り込まれている。しかしそこはどれも見せ方が簡素すぎるし、あまつさえクライマックスが「火山に核弾頭を投下するため火山島の地雷原を突破する」という、ここだけ切り取ったら到底天体パニック映画には見えない前代未聞の代物。地球壊滅の期限が迫ってきているのに地雷を踏んで犠牲になった兵士を丁寧に弔う姿に大いに脱力させられた。


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