シャーク・キラー         「評価 C」

サメ退治専門家のチェイス・ウォーカー。依頼を受けて世界中のビーチを飛び回り、サメが現れると自ら海に飛び込んで巨大なナイフで撃退するタフガイだ。そんな彼がこの度依頼を受けてやってきたのは南アフリカのケープタウン。美人弁護士のジャスミンに案内されて向かった先には、長年離別していた兄のジェイクが。何でも彼は現在ギャング団の手先として働いているらしく、先日密輸しようとしていたダイヤが売人ごと黒ヒレのホオジロサメに喰われてしまった。だからサメを探し出して退治し、ダイヤを取りだしてほしいというのだ。様々なあくどい事に手を染めている兄が依頼主と知って、一度は断ろうとしたチェイス。それでもジャスミンと仲良くなったのもあり、彼女と協力してホオジロザメ討伐に乗り出すことにした。しかし探す中で、ジェイクが雇い主のニクスに反発しており、ダイヤを奪い取ろうと画策していることが明らかに。それを察知したニクスはジャスミンを誘拐し、ダイヤを持ってくるようにチェイスたちを脅迫する。そこでチェイスはジェイクと手を結び、彼女の救出に乗り出した…。

「レッド・サイクロン」「スノウマゲドン」のシェルドン・ウィルソン監督による、サメ映画…の皮を被った兄弟バディ映画。本作の黒ヒレは凶悪なホオジロザメだというのに、なにぶん相手が何匹ものサメを刃物で葬ってきた専門家というのが悪かった。海中で襲撃しても簡単に逃げられるし、真正面から戦っても当然勝ち目はない。主人公相手に全然良い所を見せられないのはとても気の毒に感じられた。また本作はサメ襲撃シーンがろくに拝めない仕様につき、人間たちと犬を食い殺す場面すら満足に楽しめないから困りもの。サメ映画としては到底満足できない作品だ。
そんな本作の見どころは、先述の通り兄弟のバディ要素にある。タフガイな弟と狡猾な兄が共通の目的のために手を結び、いがみ合いながらも修羅場に臨めば息の合った連係プレイで敵を蹴散らす。目的を違えればすぐに元通りになるのだが、対照的な2人の掛け合いはなかなか楽しむことができた。


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