蛇女                「評価 D」

第一国立考古学博物館に泥棒が侵入。警備員を殴り倒して、古代ギリシャの彫像を盗み出した。逃走中に警察官に撃たれた泥棒は、ショーパブに入って身を潜める。ところが彫像に彼の血が触れた途端、店に異変が発生。ポールダンサーたちが凶暴化し、セクシーサービスに紛れて客の男どもを食らい出したではないか。実はこの彫像にはギリシャ神話の蛇女・ラミアの魂が封じられており、人間の血を媒介として現代に蘇ってしまったのだ。そうとは知らない泥棒はポールダンサーに敢え無く食い殺された。一方、彫像を破壊するため泥棒を雇っていた兄弟は、泥棒の行方を追ってショーパブに潜入。ラミアに支配されたポールダンサーたちと対決する…。

深夜のショーパブを舞台にしたポールダンス蛇映画。ダンサーたちのセクシーショーがダラダラと繰り広げられ、合間合間に殺害場面がポツリポツリと挿し込まれる。退屈な映画であることは間違いないのだが、クライマックスではラミアに乗っ取られたポールダンサーが変身し、「怪奇!吸血人間スネーク」の中間形態のようなリアル調の蛇女に。肩から上だけのメイクなのは少々腰砕けながら、まさか真っ当なモンスターが出てくるとは思っていなかったから嬉しい誤算だった。
その他の見どころとしては、ポールダンサー業界のディテールの細かさが挙げられる。映画前半でオーナーが営業のイロハを叩き込む場面があり、「ドリンクは客から貰う」「女同士で体を触るのは客の前」「変わった名前は検索されて異常者に狙われるから平凡な名前がいい」といった物凄く具体的かつ的確なアドバイスが続々と飛び出す。映画自体はヘナヘナな出来なのにモチーフへの向き合い方から真面目な姿勢が窺えるのが妙な可笑しさを醸し出していた。


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