U.M.A レイク・プラシッド ファイナル          「評価 C」

メイン州のブラック湖。街を襲来したワニたちは無事討滅したものの、そう易々と絶滅しないのがワニというもの。業を煮やした軍は湖全体を高圧電流つきのフェンスで囲み、脅威が外に及ばないようにした。しかし巨大なワニが棲息しているということで、湖には密猟者たちが続々と集結。フェンスを突破してワニに戦いを挑んでは次々と食い殺される困った事態に。おまけに現地に赴任していた軍人ライアンの息子マックスが、友人たちと共に湖にキャンプに行ってしまう。案の定ワニたちの襲撃を受けて逃げ惑うマックスたち。ライアンは保安官のテレサと協力して、息子たちを救出しようとする…。

とうとうワニを飼うオバサンの血筋とは無関係になった4作目。政府の介入による住民との軋轢、親子の対立、密猟者の存在──といった状況説明は冒頭20分ぐらいで足早に片づけられ、後はひたすらワニによる捕食&捕食&捕食。冒頭でワニを捕獲しようとする環境保護庁の連中が出てくるから「ワニを巡る人間同士の対立」なんて面倒くさいことになりそうだなあ…と危惧していたら、これが完全な杞憂で本当に良かった。
そしてワニはというと、音もなく忍び寄る神出鬼没さがパワーアップ。食糧不足に苦しみ共食いしている設定なのに、本作のワニたちは驚くほどに慎重派。周りの人間が目を離した隙に出現して男のナニを食ったり足を食って水中に引きずり込んだりする他、廃屋の部屋に音も立てずに身を潜めるといった、闇雲に襲い掛かる凡百のワニとは一味違う活躍を披露してくれた。また本作は襲撃場面のえげつなさも増していた。密猟者のトラップに引っかかって逆さ吊りになったところを丸かじり。車の近くでワニに食い殺されれば車の側面が血飛沫で真っ赤に染まる。特にワニの突進を受けて木に叩きつけられ、ワニに腹を食われて木の枝が首を貫通──というどっちか一方でも確実に死ぬオーバーキルが拝めたのは感激だった。ただし前作に続いての「水中で子ワニの大群に襲われる」シチュエーションも水中の惨状が映し出されるようになったけれど、すぐに水が血に染まり何も見えなくなるのは残念なところ。相変わらずコメディ要素は薄いままだしクライマックスの対決は淡白で盛り上がりに欠けるものの、ワニの活躍はバッチリ堪能できる良作だった。


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