太平洋の廃棄物が海流に乗って帯を形成したゴミベルト。この海域上に建てられたペルセフォネ研究所では、海洋汚染が海洋生物に及ぼす影響について研究が行われていた。この度インターンとして施設にやってきたマギーは、環境保護団体に所属している元恋人のグレッグと鉢合わせ。彼の団体は研究施設と協力関係にあったのだ。思わぬ再会に驚く2人だったが、その頃施設には大いなる脅威が迫りつつあった。環境汚染による突然変異か、頭を3つ持って生まれたトリプルヘッド・ジョーズ。ゴミと人間が大好きなこいつが、ゴミベルトに吸い寄せられて襲来してきたのだ。研究施設の壁や床を破壊して人間を食い漁り、たちまち施設は壊滅。マギーたちは命からがらボートに乗って逃げのびた。その後もトリプルヘッド・ジョーズはゴミの漂うまま気の向くまま、パーティー中の客船に襲い掛かり若者たちを大量虐殺。何とか救援に来た漁師たちの活躍で中央の頭を切り落としたものの、切断面から更なる3つの頭が生えてきてクインティプルヘッド・ジョーズにパワーアップする始末だ。マギーたちはこの化け物の被害を食い止めるため、大量のゴミをばら撒いて頭同士で食料を奪い合わせ、同士討ちさせるという奇抜な作戦を打ち立てた…。
「ダブルヘッド・ジョーズ」から頭の数を更に増やすという至極真っ当な進化を遂げた続編。開幕早々3つの首で1首1殺、3人同時食いの妙技を披露してくれるし、口の中からのアングルまで見せてくれたりと旺盛なサービス精神で惹き込んでくれる。ストーリーは前作同様あって無きが如しで、研究施設→客船→孤島→洋上の決戦──と舞台は切り替わってもやることは全く変わらず。大量の名前付き登場人物が紹介されては雑な感じで殺されていく、とにかくキルカウントを稼ぐことを念頭に置いた潔い作りだ。また前作より予算がアップしたのかCGのサメが出ずっぱりになり、活き活きとした挙動が存分に拝めるのも嬉しいところ。おかげで終盤の斬新な作戦も見栄えがするものとなっており、武器は多ければいいものじゃないという教訓が強く身に染みて感じられた。