シャークネード ザ・フォース・アウェイクンズ   「評価 A」

フィンたちが宇宙から帰還して5年。世界はすっかり平和になっていた。と言うのもアストロX社が開発した天候安定システムが全米各地に監視の目を光らせ、シャークネードを即座に打ち消すようになったのだ。この成功によりアストロX社は急成長を果たし、ラスベガスに巨大ホテル“シャークワールド”をオープン。たちまち大勢で賑わい大繁盛となったが、こうやって企業が調子に乗った時こそ危ないというもの。突如ラスベガスの砂漠に竜巻が発生した。直ちに天候安定システムのポッドが作動したものの、予想以上に強大な竜巻の前には通用しなかった。やがて竜巻はシャークワールドに接近し、無数のサメが入った巨大水槽を破壊。5年ぶりのシャークネード誕生と相成った。たまたま遊びに来ていたフィンはショー用の帆船に乗って洪水をやり過ごし、剣でサメたちを叩き切って難を逃れた。しかしこれを機に、全米各地で合計3つの強力なシャークネードが発生。ロスでは寒波を巻き込んで雹ネードに、テキサスでは油田を破壊してファイアネードに、イエローストーンではマグマを巻き込んで溶岩ネードになり、それぞれ甚大な被害をもたらす。しかもファイアネードは原子力発電所と激突してニュークリアネードとなり、放射能火炎を纏ったサメに噛まれると一瞬で消し炭になってしまう最悪の竜巻に。フィンはアストロ社の社長アストンの協力を得てシャークネードの消滅に乗り出す。最高に心強いファミリーと共に…!

前作で災害のスケールは行き着くところまで行っても、まだまだシリーズとしての勢いは止まらない第4弾。主人公ファミリーの人間やめてます度は最早限界を知らず。妻エイプリルはフォースの力でアイアンマンになり、父ギルバートは月面でサメを虐殺してパワードスーツに乗り、サメから生まれた息子ギルは5歳にしてチェーンソーを操りサメの腹を裂く。相変わらず不死身すぎるフィンを中心に字面だけでは到底意味が理解できない超人集団が形成されており、チェーンソーと銃火器に留まらない無数の攻撃手段でサメどもを駆逐する様はマッチョイズム溢れる快感をたぎらせていた。また災害の舞台もシャークネード未踏の地だったアメリカ内陸部中心にバリエーションに富んでいる。何でもあるから何でも使って無茶できるラスベガスを始め、大陸横断鉄道が走る砂漠地帯、チェーンソー大好き家族が陽気に暴れるテキサスなど、土地柄を活かしたシチュエーションの数々はサメ映画&竜巻映画に宿る無限の可能性をまざまざと見せてくれてとても興味深いものがあった。明るく楽しい狂気に満ちた傑作だ。


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