空の王者の翼竜に、海のギャングのバラクーダ。両者が合体すれば最強の生物兵器になるに違いない!そんなわけでサイモダイン社のサイムス博士は翼竜とバラクーダの遺伝子を掛け合わせた怪物・プテラクーダを開発。時速320キロで空を飛び、海も高速で泳ぎ回るプテラクーダは性能テストにおいて素晴らしい成果を上げ、会社にバンバン投資が入ってウハウハの未来が訪れるのも目前だった。ところがその直後、プテラクーダは突如暴走して研究所を破壊。大勢を捕食した挙句、空の彼方に姿を眩ませてしまった。このままでは投資が入ってこない。一刻も早くプテラクーダを捕獲しなければ。業を煮やすサイムス博士。とそこへ、耳寄りな情報が入ってきた。かつてプテラクーダと同じく遺伝子生物によって誕生し、大海原を血に染めた生物兵器シャークトパス。どうやらその生き残りがマリンパークに保護され、飼育されているらしいのだ。こいつだったらプテラクーダと良い勝負を繰り広げ、捕獲を助けてくれるに違いない。早速サイムス博士は警備責任者のハマースタインを伴ってマリンパークに赴いた。園長を大金で買収すると、飼育担当のロレーナの反対も聞かずにシャークトパスを戦闘用に改造。かくして触手を持つサメと翼を持つカマス、二大改造魚類の死闘の幕は切って落とされた…。
「シャークトパス」の続編だが、何と言っても特筆に値するのが新ライバルのプテラクーダだ。翼竜を基調としながらバラクーダを違和感なく組み込んだシャープなフォルムからして格好良いの一言。空を高速で飛び回ってヘリを海中に叩き落とし、乗っていた人間が海に投げ出されると今度は水中に飛び込んでバラクーダの本領発揮で次々捕食。そして生き残った1人が砂浜に這い出ると再び上空に飛び上がり人間を狙う──と、空と海の両方における脅威を存分に見せつけるシークエンスまであり、クリーチャーの魅力においてシャークトパスを大きく凌いでいた。飛んできた生首でビーチバレーが平然と行われる、シャークトパスの形をした凧が上げられている、といった腑抜けたギャグが充実しているのも嬉しいところだ。
しかしこの映画、二大改造魚類の激突までは快調なテンポで進行するのに、初対決後は一気に鈍化。悪党がプテラクーダを操って原発を破壊しようとする陰謀劇も尺稼ぎ以上の存在意義を見出せず、全く進展しない物語にテンションが萎んでいくのが残念でならなかった。