アメリカ西海岸を襲ったシャークネードを破壊し、サメの腹破りを成し遂げて全米サメ映画界の英雄となったフィン。元女房エイプリルとも復縁し、あまつさえ彼女はシャークネード事件を本にしてベストセラー作家にもなりめでたしめでたし…といくほどサメ映画界は甘くなかった。翌年フィンとエイプリルは飛行機に乗って故郷ニューヨークに向かっていた。しかし乱気流に突入すると、窓の外には無数のサメが!たちまち機体はサメの激突によって破壊され、エイプリルは左腕を食われ、機長と副機長は空の藻屑に。あわや墜落かと思われたが、フィンの英雄的行動により胴体着陸。何とか最悪の事態は免れた。しかしサメを纏った低気圧はアメリカ東海岸を北上しており、折しも南下中の北極気団とニューヨークで衝突。やがて大規模シャークネードが発生することが予想された。そこでフィンはエイプリルを病院に残すと、妹エレンや義理の弟マーティンを避難させるためにニューヨークの街へと飛び出した。徐々にサメの被害が拡大する中、まずは球場でメッツの試合を観戦していたマーティンと合流。シャークネード&洪水で空から地下から襲い来るサメをかわしてタイムズスクエアに辿り着いた。フィンは剣と爆弾の材料を調達すると、早速前作同様にシャークネードを打ち消さんと、ホテルの屋上から巨大パチンコで即席爆弾を投下。しかしそこは二番煎じがお家芸のくせに自社映画の二番煎じには厳しいアサイラム。前作以上に威力の強いシャークネードは消滅するどころか燃えるサメを纏ったファイアーシャークネードに昇格し、被害は拡大する一方だった。慌てて逃げ出したフィンたちは妹エレンや病院を逃げてきたエイプリルとも合流し、エンパイアステートビルに移動した。そこは間もなく2つのシャークネードがドッキングする最前線。フィンは被害を食い止めるべく、ビルのフロンタンクを爆破する計画を立案。ニューヨーク市長から貰ったチェーンソーを片手にエンパイアステートビルを駆けあがった…。
飛行機にサメ!地下鉄にサメ!尻にサメ!最早地球上にサメから逃れられる場所は存在しない、前作以上にどうかしている映像が満載の第2弾。義理の弟との軋轢が危機を乗り越えることで解消されるドラマ部分は前作の元妻との復縁に比べて弱く感じられるけれど、それでも本作には前作に対して明確に勝っているところがあった。それは市民の決起だ。主人公一行の他には人間もサメも死屍累々な前作とは対照的に、今回のニューヨーク市民は物凄く精力旺盛。主人公の演説で立ち上がり、降り注ぐサメに対して各々銃や農具で応戦。作中で度々出てきたテレビ番組の出演者たちも生放送中にサメと格闘。そしてフィンも負けじと空中でチェーンソーを振り回す人間離れした芸当を見せると来たものだ。よりスケールアップした人間とサメとの闘争の果てに打ち上がる花火は素晴らしく爽快なものがあった。他にも転がってくる自由の女神の首からの逃走劇や、地下鉄のワニを「主役は俺だ!」とばかりにサメが食らい尽くすなど、ニューヨークという土地柄を活かしたシチュエーションが連続。笑いと感動が怒涛の勢いで押し寄せる凄まじい作品だった。