ウォーターパワー アブノーマル・スペシャル    「評価 A」

これは実話である。これはどこでも誰にでも起こり得る。貴方にさえも…。
青年バートは空虚な毎日を過ごしていた。祭りの会場に行っても顔は晴れず、エロ本を読んでも満たされない。数少ない趣味は近所のスチュワーデスの部屋を望遠鏡で覗くことだが、その日は運よく彼女の着替えを拝めると思いきや視界からいなくなってしまい敢え無く挫折。この溜まりに溜まったリビドーは直ちにに発散されなければならない。バートは意を決し、金を持って近所のヘルスに行くことにした。15分10ドルのサービスを受けることにして、売春婦と共に部屋に向かう。しかしその途中、彼はこの場に不釣り合いな人物の姿を認めた。廊下に1人の看護婦が佇んでいたのだ。売春婦に訊ねたところ、何でも特別メニュー専用の娘らしい。その後売春婦と行為に及んでスッキリしたはいいものの、特別メニューの存在が気になって心はいまひとつスッキリしない。そこでバートは帰り際、店のオーナーに特別メニューについて聞いてみた。するとオーナーの口から語られたのは、あまりにも常軌を逸した変態プレイの数々だった。バートが茫然としていると、ちょうど浣腸プレイが行われるので見学しないかとオーナーに誘われた。言われるがままに同行し、プレイ部屋を覗きこむ。そこでは先ほどの看護婦と医者が、一人の少女をベッドに縛り付けていた。「反抗的な少女は矯正しなければならない。服従させるには、全身の汚れた体液を適切に排出してやることだ!」医者はそう言うと、彼女の肛門に器具を挿入して液体石鹸を注入。少女は懸命に抵抗を試みる。が拘束は固くて解けない。そうこうするうちに十分な量が注がれ、器具が外される。たちまち少女の意志に反して大腸が蠕動。そして石鹸と共に噴出される便、便、便。全てを出し終えたとき、そこにはぐったりする少女と発情した医者と看護婦、そして恍惚な表情を浮かべるバートがいた。
素晴らしい、こんな世界があったなんて!バートの暗く淀んでいた日常に、虹色の光が差し込んだ。しかしその翌日、事件が発生。いつも覗いていたスチュワーデスに男がいて、覗かれているとも知らずに部屋で行為をおっぱじめたのだ。彼女を神聖視していたバートは当然大ショック。「君だけは他の女とは違うと思っていたのに!畜生、好色の白豚め!」と失望が怒りに変わったところに、先日の医者の言葉が頭を過ぎった。「汚れた体液が彼女にあんなことをさせるんだ。洗い落とさなければならない!」かくして夜な夜な美女を襲い浣腸に及ぶ、連続浣腸事件の幕は切って落とされた…。

正義を得た者の驕りと暴走を浣腸に託してひねり出すアブノーマル映画。バートは街を徘徊して乱れた生活を送る美女を見つけては世直し浣腸に及ぶわけだが、まずはノーマルなレイプを行ってから浣腸という流れになるのは正直戴けない。主人公も気持ちよくなっては社会秩序を立て直すという世直しの目的がブレてしまうし、ノーマルなプレイが多めになる構成は製作側の照れを感じてならなかった。
それでもメインに据えた浣腸へのこだわりは並々ならないものがあった。冒頭の浣腸プレイでは浣腸の歴史から器具の種類、そして細かな手順まで懇切丁寧に説明し、観る者をスムーズに浣腸の世界に誘ってくれる。浣腸入門マニュアルとしてこの上ない内容だ。その後の浣腸も手順を執拗に見せてくれて、丁寧に取り繕われた狂気に釘づけにさせられた。
またこの映画、局所が大写しになる場面では当然処理がされるわけだが、ビデオ版だとモザイクじゃなくて別のカットの切れ端を重ね合わせるという荒業が使われていた。画面の3分の1を関係ない静止画が覆う中で行為に及ぶ光景は何とも言えない奇妙な味があった。


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