あらゆる物質を気化させてしまう、恐るべき素粒子エクスポゾン。かつて木星をガス化させたこの素粒子が、突如アメリカ上空で赤い雲を形成。竜巻と雷であらゆる物質を破壊し、ニューヨークを始め各都市を恐怖に陥れた。田舎町ハートフィールドでも同様の災害が頻発し、休日の高校で展示会の準備をしていた教師ジェイソンとその息子ウィルを始めとする学生たちは校舎内に避難する。その矢先、校舎近くで知り合いの女性が怪我をしているのを発見すると、ジェイソンはウィルたちを校舎内に残し、彼女を病院へと連れて行った。しかしその道中、雷に襲われて車は爆散。女性は死亡した。ジェイソンは止むを得ず、歩いて高校に戻ることに。やがて墜落した飛行機に遭遇した。機内で生存していた科学者は、ウィルとその友人メーガンに会うためにハートフィールドに来ていた。実はウィルは両親も知らないほどの天才的な頭脳の持ち主で、メーガンと共にエクスポゾンの研究をし、その発生装置まで開発していた。彼らのデータを目にした科学者は、災害を止める手立てに行き当たる。それは赤い雲にエクスポゾン発生装置を搭載したロケットを撃ち込み、エクスポゾンの密度を急激に上昇させることで、素粒子同士の干渉が生じて赤い雲が自然消滅するというものだった。この手段を実行に移すには、2人の開発したエクスポゾン発生装置が必要だった。だがその頃、赤い竜巻により校舎は壊滅。ウィルたちは安全な場所を求めて、発生装置を置いたまま高校を後にしていた…。
「スノウマゲドン」「蛾人間モスマン」のシェルドン・ウィルソン監督による、素粒子が引き起こす赤い竜巻による災害パニック映画。エクスポゾンは木星を破壊したという凄い触れ込みが付いていて、建物や車をバラバラにする描写が頻繁に出てくる。しかしどういうわけか被害があるのは地上の物に留まり、地下に避難していれば一切の害がない。これで本当に惑星を破壊できるんだろうか。本作における被害規模は通常の竜巻&雷と大差なく、折角の設定があまり活きていないように感じられた。
またこの映画、主軸となる親子のドラマも弱い。ウィルが両親に才能を隠している理由というのが、終盤まで引っ張った割には何とも他愛ないもの。しかも根拠となる描写が皆無なのでウィルに共感できず、その後の和解も釈然としないものになっていた。