ピラナコンダ            「評価 C」

ハワイ島の伝説で「川の悪魔」と呼ばれて恐れられている、巨大な蛇“ピラナコンダ”。長きにわたり地の底に眠り続けてきたそいつが、最近になって再び目を覚まし、観光客を襲っているらしい。そこで生物学者のラブグローブ率いる研究チームが調査に赴いたところ、奴の巣と思しき川辺を発見。周囲には幾つもの卵が産み落とされており、ラブグローブはその1つを容器に詰めて持ち帰ろうとした。ところがその時、川の中から全長30メートルはあろうかというピラナコンダが出現。卵を奪われて怒れる川の悪魔に調査チームの面々は瞬く間に食い殺され、ラブグローブも卵をもって逃げ出すのが精一杯だった。しかしやっと難を逃れたのも束の間、ギャング団に遭遇。ギャング団は「科学者は金を持っているだろう」という理由からラブグローブの身柄を拘束すると、自らが拠点とする廃工場に幽閉した。更に連中は、ホラー映画の撮影チームに出くわすと、「映画会社から金を引き出せるだろう」と誘拐。同じく廃工場に閉じ込めた。拘束を逃れたスタントマンのジャックは、特殊効果マンのガンナーと共に仲間を救出する作戦を練る。しかしそんな人間たちの争いなど余所に、ピラナコンダは卵の匂いを頼りに廃工場に向かっていた…。

コーマン門下生ジム・ウィノースキー監督による大蛇映画。ビキニ美女のお色気&人間が食われるグロ要素が満載の、コーマン先生の教えを忠実に守った内容だ。導入から退治方法まで何もかも予想の枠をはみ出さない、極めて予定調和的な脚本ではあるものの、無計画すぎるギャング団の能天気な行動をはじめとして常にゆるい雰囲気が蔓延しており、気楽に見ていられる安心さがあった。
ピラナコンダはピラニアの頭をしたアナコンダという触れ込みで、人間を丸呑みにせず喰い散らかしていくので、襲われた後は無惨な肉片が散らばる。それがスプラッターな見せ場となっているのだが、肝心の喰われる瞬間の描写がアッサリしすぎなのは惜しいところ。じっくり食らう場面がないためメリハリに欠け、スピーディーな殺害シーンが次第に一本調子に感じられてしまった。


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