U.M.Aハンター             「評価 C」

200年前に北極海に沈んだイギリスの軍艦が、気候変動によって海底より浮上した。そうと知った大富豪ミルズは、軍艦付近の島へと調査隊を派遣した。何故なら軍艦には、類人猿の実在を証明する古写本が積まれていたからだ。ところが程なくして、調査隊から連絡があった。古写本は回収したものの、獣のような怪物に襲われて帰還できないらしい。そこでミルズは便利屋のジョナスとジェイスをはじめとするチームを編成し、調査隊と共に古写本を持ち帰るように命じた。早速島へと向かうジョナスたち。古びた基地に身を潜めていた調査隊と無事合流を果たすが、その間にも怪物の群れは幾重にもわたって襲いかかってきた。いったい怪物は何者なのか。古写本には、恐るべき事実が記されていた。実は軍艦に積まれていたのは、古写本だけではなかった。それに記されている類人猿もまた軍艦に乗っており、軍艦の浮上に伴い蘇生。島を根城として繁殖し、数を増やしていたのである。無線でその報告を受けたミルズは、とんでもないことを言いだした。類人猿を生け捕りにしたら、1匹につき100万ドル出すという。大金に目がくらんだジョナスたちは、我が身の危険も顧みずに生け捕りをすることを決意。しかしその頃、チームの一部で不穏な動きがあった。彼らはジョナスたちが生け捕りの作戦を立てているのを余所に、古写本を手に基地を後にする。ミルズのライバルの大富豪が、古写本を横取りするためにスパイを送り込んでいたのだ…。

氷原を舞台に怪物の群れと戦うモンスターパニック。怪物はシロクマのような体躯に羊の頭がついたデザインで、あまり類人猿らしくはない。更に拙いCGで描かれたその姿は質感に乏しく、冒頭の登場シーンではセット撮影丸出しな映像も伴って、早くも不安がこみ上げてきた。しかしいざ暴れてみると、着陸する飛行機に突っ込んで墜落させたり、スノーモービルに飛び掛かって人間を掻っ攫ったりと、なかなかの活躍ぶり。退治方法もバリエーションに富んでいて、チープながらもしっかり魅力を感じさせてくれた。また数多くのモンスターパニックにおいて不快感を生む要素となっている「退治よりも生け捕りを優先して被害を拡大させる存在」についても、本作では生け捕りを命じる側も命じられる側もそこまで強くこだわらず、割とすんなり怪物退治の方向にシフトする。おかげでラストの余韻がスッキリしていたのは好印象だった。


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