ジュラシック・シャーク         「評価 D」

バカンスに最適な美しい湖。今ここでは、石油会社による違法な採掘行為が行われていた。でもそこは、利潤至上主義者のすること。ろくに調査もしないで強引に地中を掘り進めたものだから、氷に閉じ込められていた巨大サメ・メガロドンを現代に蘇らせるという恐るべき事態を招いてしまった。メガロドンは採掘施設を爆破すると、そのまま湖に居座り、足を踏み入れた人間を片っ端から食い殺していった。さてそんなことは露知らず、学生のジルたちは石油会社の違法行為の証拠を掴むため、カメラを持って湖にやってきた。しかしボートで湖を移動していたところ、案の定メガロドンに襲われる。ボートは破壊され、命からがら逃げ出したジルたちは、採掘施設のある小島へと流れ着いた。目的地には到着したが、帰る手段が失われ、途方に暮れる一行。そんな時、同じくサメに襲われたという3人組が現れ、共に脱出の手段を探ろうと協力を申し出てきた。人手は多いに越したことはないと、行動を共にするジルたち。だがこの連中、逃走中の強盗グループだった。奪った絵画を積んだボートがメガロドンに襲われて転覆したので、絵画を湖底から引き上げるための人員を探していたのだ。やがて正体を現した彼らに拳銃で脅され、ジルたちは湖に潜って絵画を引き上げるという、危険な作業を命じられた…。

「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」の劣化リメイク作「恐怖のモンスターパニック 吸血巨大ヒル襲来!」のブレット・ケリー監督による、これまたモンスターパニックの醍醐味を丸ごと削ぎ落としたような出来が衝撃的なサメ映画。開始早々、水着ギャル2人による本筋にまるで関係ない会話がダラダラ続き、更にサメに食い殺される光景を何の工夫もない定点撮影で見せられたとあっては、まだ10分も経っていないのにテンションはどん底に沈んでしまう。そして本編は湖に沈んだ絵画をめぐって強盗団と一般市民が争いを繰り広げる「キラーフィッシュ」風味だが、極めて貧相なCGで描かれたメガロドンを筆頭に、スロー映像の使いすぎで間延びした演出、間近でダイナマイトが爆発しているのにジルが傷一つ負わない緊張感皆無の戦闘シーン…と、どこまで行っても駄目な要素に溢れているので、落ちた心はまるで浮上の兆しを見せなかった。どう見ても太陽の光が燦燦と差し込んでいるのに「今は暗くて水中が見えない。朝になるのを待とう」なんて平気で言い出す登場人物の姿には、タイトすぎる撮影スケジュールが察せられて哀愁を覚えた。


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