シャーク・ナイト           「評価 A」

風光明媚なクロスビー湖には、毎年夏になると多くのリッチな若者がバカンスに訪れていた。そしてこの年の夏も、湖畔に別荘を持っているサラが友人6名を伴い遊びにやってきた。みんなで騒ぎあい、存分にバカンスを満喫する一行だったが、サラはその輪に交じらず愛犬と遊んでばかり。サラには後ろめたい過去があった。3年前、彼女はこの湖でダイビングのコーチをしていたデニスと付き合っていた。しかし2人でダイビングをしていた時、溺れそうになった彼女は水上に出て、ボートに上がりエンジンをかけた。すると動き出したスクリューは、デニスの顔面を切断。彼の顔に、一生消えることのない深い傷を刻み込んでしまった。不慮の事故とは言え、罪の意識に苛まれ、人知れず悩み苦しむサラ。そうとは知らず遊びに興じる友人たちだったが、そんな中、恐るべき事件が起こった。ウェイクボードを楽しんでいた友人マリクが、サメに腕を食いちぎられて重傷を負った。付近一帯は携帯電話の電波が通じず、彼を助けるには湖をボートで越えて病院に運ぶしかない。だが湖には他にも無数のサメが蠢いており、友人たちは次々と食い殺されていく。何故リゾート地だった湖に、こんなにもサメが棲みつくようになったのか。実はこの事態を引き起こしていたのは、あのデニスだった。3年前の事故で何もかも失った彼は、湖を訪れる若者たちへの復讐心に燃えていた。そこで仲間と共にサメを飼いならし、若者が食い殺される様子を映像に収めては、その映像を好事家たちに売りさばいていたのだ…。

「スネーク・フライト」のデヴィッド・R・エリス監督によるサメ映画。「スネーク・フライト」は様々な種類の蛇が一同に会する何とも華やかな内容だったが、今回もまた6種類のサメが豪華競演。アオザメが猛スピードでボートを追い回したかと思えば、小型のダルマザメが獲物の全身に群がって食らいつき、巨大なホオジロザメが凄まじいパワーで檻をバリバリ破壊する。各襲撃シーンは、それぞれのサメの特徴を活かしたシチュエーションで組み立てられていた。登場するのが一種類ずつなので「スネーク・フライト」のような混沌とした光景は拝めないものの、主役の生物に対する力の入れ込み具合で言えば「スネーク・フライト」を凌ぐものが窺え、高い満足感があった。
また本作、サメに関するウンチクも見所。サメは地球上に約500種類いるとか、ダルマザメは水中で発光するとか、イタチザメは金属だろうが何でも食べるとか、取材の過程で得たのであろう豆知識が随所で披露され、作品に華を添えていた。


鮫映画一覧へ
TOP PAGE