州立公園のクマ保護区。密猟者ドレイクは不法侵入してクマ用の罠を仕掛けていたところ、未確認生命体ビッグフットに遭遇。用意していたコンテナに閉じ込めたはいいものの、森林パトロール中の警官ライアンに現場を押さえられてしまう。ドレイクはすぐさま御用となり、留置所へ。コンテナも証拠品として、警察署の駐車場まで移送された。
一仕事終え、警察署に戻ったライアン。しかしそこへ、不穏な報せが舞い込んでくる。かつて自分の家に押し入って妻を殺害した凶悪犯コレッティが、再犯により捕えられ、留置所に送られてきたのだ。折りしもその日はライアンの娘ジェシカが警察署に遊びに来ており、ライアンは娘の身に危害が及ばないかと気が気でない。一方でコレッティもまた、ライアンに兄貴分を射殺されたことから、彼のことを執拗に恨んでいた。
警察署内に一触即発の空気が漂う中、いよいよ事件は起こった。コレッティが警官を殺害して脱獄。ありったけの銃を盗み出すと、復讐の機会を窺うために警察署を後にした。更にビッグフットがコンテナを破壊して逃亡。周辺を徘徊し、目に付いた人間を次々と惨殺していった。ライアンたちは出動して事態を鎮めようとしたが、銃が盗まれていたのでろくに対抗することができない。そこでやむなく、クマ狩猟の専門家ドレイクを解放。共にビッグフット退治に乗り出すこととなった…。
ビッグフットによって逃げ道を塞がれた警察署を舞台に、警官と囚人の混成部隊が危機に立ち向かう、「要塞警察」テイストの入ったビッグフット映画。コレッティとの対決がビッグフットの件と別個に処理されるのでストーリーのまとまりに欠けている上、オチもあまりすっきりしなかった。けれどこの映画、登場人物たちが一癖も二癖もある個性派揃いなのが良かった。主人公側についても一向に改心せず、最後まで我が道を貫くドレイク。いきなり警官の喉にハサミを突き立てるという凶悪プレイで度肝を抜いてくれる狂人コレッティ。単なるお色気担当かと思いきやナイフ一本でビッグフットと互角に渡り合う受付係のエイミー。助っ人として参上してあっさり死亡する、何のために出てきたのかサッパリ分からないドレイクの友人(名無し)。そして主役のビッグフットも彼らに負けじと、様々な物を投げつけたり、手近なものを武器として使用したりと、知性の高さをアピールして魅力を放つ。そんな彼らが織り成す戦闘シーンには、脚本の不満を補って余りあるほどに味わい深いものがあった。