未来の地球。宇宙空間より落下してきたロボットから、驚くべき記録データが発見された。それには地球がこれから歩む歴史が精細に記されており、実際その記述どおりに歴史は進展していったのだ。やがて人々はその記録データのことを未来を予言した“聖典”と呼ぶようになり、中にはそれを神の導きであるかのように信奉する者まで現れた。だが聖典には、世界の終末まで予言されていた。
「200年後。ロボットが人類破壊兵器を操り、人類は自滅するだろう」
そして200年後。地球は滅亡の危機に立たされていた。太陽エネルギーを収束して時空に穴を開ける、軍事衛星兵器アースキラー。宇宙の外敵から地球を守るための兵器だったが、その照準が突如、地球に向けられた。どうやら地球を支配する勢力が聖典の記述を絶対視し、予言に従って地球を滅ぼそうとしているらしい。そこで宇宙空間を根城とする宇宙空挺軍は、彼らの蛮行を阻止するべく立ち上がった。人間とアンドロイドの混成部隊を、アースキラーが搭載されている宇宙ステーションに送り込んだ。一方で地球軍もアースキラーを守るため、生物兵器を投与してクリーチャー化した兵士たちを宇宙ステーションに派遣。かくして宇宙ステーションは、両勢力が地球の運命を賭けて争う戦場と化した。
そんな中、女性アンドロイドのヘレンは宇宙ステーションの一室で目を覚ました。彼女には一切の記憶が無く、わけも分からぬまま両軍が交戦するステーション内を駆け回る。やがて彼女は、レイズたち空挺軍と遭遇する。地球軍にアンドロイドはいないことから、ヘレンは空挺軍の一員と見なされ、ステーション奥にある自爆装置を作動させるため、行動を共にすることになった。幾度ものクリーチャーたちの襲撃を掻い潜り、彼女たちは自爆装置に通じるエレベーターの前まで辿り着く。しかし隕石衝突のトラブルによりエレベーター内は酸素が薄くなっており、乗ることができるのはヘレンのみ。聖典には「ロボットが人類破壊兵器を操る」とあり、ヘレン1人に行かせることに難色を示す者もいたが、レイズの判断から自爆装置を作動させる任務はヘレンに一任されることとなった。
ヘレンはエレベーターに乗り込み、無事に自爆装置を作動させた。ところがその瞬間、アースキラーは動き出し、発射へのカウントダウンを開始した。実はレイズたちが「自爆装置」と教えられてきたものは、「アースキラーの自爆装置」ではなく、「地球の自爆装置」だった。空挺軍の上層部も聖典を信奉しており、地球軍と同様に地球を滅ぼそうとしていたのだ。真実を知り、絶望するレイズたち。滅びの時が刻一刻と迫る中、ヘレンはシャトルを遠隔操作してステーションにぶつけることで、アースキラーの照準をずらそうとした…。
恐ろしくロークオリティなSF映画「エイリアン・リベンジ」のアンドリュー・ベルウェア監督による、やはりチープな特撮が満載のSFアクション映画。何よりクリーチャーが強烈。まずデザインからして、恐竜のような胴体に機械の頭&脚がついた、「人間に生物兵器を投与して作り出した」という設定を根底から揺るがすもの。そいつがひどくカクカクしたアニメーションで暴れ回る光景は、物凄い侘しさを漂わせていた。戦闘シーンも似たような感じで、撃たれる役者に弾着を仕込まず、血しぶきのエフェクトを合成することで処理しているのだが、その合成が粗雑すぎて安っぽさばかりが際立っている。そして脚本も、設定周りを一捻りしているもののストーリーラインを慢性的なご都合主義が支配しており、求心性に乏しい。「エイリアン・リベンジ」同様、何とも厳しい出来の作品だった。