宅配ピザのアルバイトをしているウルフは、その日の配達を終えたら親友ジェイクと映画を観る約束をしていた。途中でジェイクも車に乗り込み、2人で最後の配達先へと向かう。ところがその先が、クラスメイトの女子たちのパジャマパーティー会場と知るや否や計画変更。車のバッテリーがあがったと理由をつけて女の園に突入し、晴れて男になることにした。となると肝心なのは相手の女性だが、ウルフは前々から気になっていたサマンサを誘うことに成功する。しかしウルフは初めて故に手際が悪く、サマンサに「行為は明日にしましょう」と告げられ、添い寝で夜を明かす結末となった。
翌朝、ウルフが目を覚ますと、隣で寝ていたはずのサマンサがいない。他の女性陣に訊いても明確な答えは得られず、どうやら早いうちに帰ってしまったようだった。落胆するウルフを余所に、女性陣の1人が、家の外でこちらの様子を窺う愛らしいシカを発見。彼女は早速外に出て、シカに手を差し伸べる。すると、どうしたことか。シカは鋭い歯を剥き出しにして、彼女の腕を食いちぎったではないか。ウルフは驚き、慌ててシカを木に叩きつけて殺害。だが気がつくと、家はシカの群れに取り囲まれていた。実は昨日から、世界中の動物が何らかの理由により発狂。人間を襲い、血祭りにあげていたのだ。やがてシカたちは、家を襲撃。ウルフたちは必死に抵抗するものの1人また1人と殺害され、気づいたらウルフとジェイク、そしてジェイクの妹レイチェルしか生き残っていない有様だった。隙を見て車に乗り込み、その場を離れるウルフたち。取り敢えずサマンサを探すことにしたが、馬が、ゴリラが、リスが、亀が、ワニが、そして熊が、彼らの行く手を阻んできた…。
発狂した動物たちが次から次へと襲い掛かってくる、「アニマル大戦争」テイストなモンスターパニック映画。しかし襲ってくる動物たちはモロにぬいぐるみだったり無機質なCGや2Dアニメーションだったりで、そのクオリティは「怪奇!兎男」「恐怖!キノコ男」に一歩も引けをとらないレベルだった。特にひどいのが、家をシカたちが襲うシーン。壁の穴からシカの頭だけがぬーっと顔を出して女性に噛みつく、という東京コミックショウさながらの操演が拝めてしまい、21世紀にコレをやってのける製作側の根性に感動を抑え切れなかった。またこの映画、出てくる動物たちの虚弱体質も大きな見所だ。シカは木に叩き付けられただけで首がもげ、ゴリラはパワーウィンドウに手を挟まれて片腕切断。そんなあり得ない肉体破壊が大量の血糊と共にバンバン出てきて、ロークオリティな内容に奇妙な高揚感を演出していた。