エイリアン・フロム・ダークネス(別題:バトル・オブ・エイリアン)    「評価 D」

ボストンの大学構内に、小さな隕石が落下した。窓ガラスが割れたぐらいで大した被害はなく、現場確認に来たムーア警部補は早々に引き上げていった。その後、大学の用務員が密かに隕石の欠片を回収。アクセサリーとして加工したものが、女子生徒たちに配布されていた。しかしこの隕石には、恐るべき秘密があった。隕石と共に地球にやってきた、凶悪なエイリアン。奴は大学の地下に潜伏すると、隕石を身につけた生徒たちをテレパシーで意のままに操り、自らの繁殖のための手駒としたのである。美術講師のアシュリーは大学内の不穏な気配に感づき、教え子にして恋人のルイーズと共に調査を始めたところ、地下室に巨大な巣穴を発見。直ちにムーアに連絡し、駆けつけた警官隊が巣穴に乗り込んだ…。

「コング」のポール・マシューズ監督による学園モンスターホラー。エイリアンの造形は唇の端がピクピク動く微妙な懲りようが印象深い。エイリアンは隕石を通じたテレパシーの他、殺した人間をゾンビにして操ったり、目で見た人間を催眠術で操ったりと、随分と多彩な能力を有している。しかし手広くやりすぎたせいで中途半端な感じが出て、かえって魅力を削いでしまっていた。また設定に不可解な点が目立つのもアレだ。生徒たちに隕石をばらまく過程にエイリアンが関与しておらず、隕石を通してテレパシーで操るやり方が前提の段階から破綻している。エイリアンの手下として出てくるボンテージ姿の女性は、「私はエイリアンに支配されていて逆らえない」と言ってるくせに、何度もアシュリーを助けてエイリアンの邪魔をする。エロ描写もグロ描写も薄味で物足りないし、あまり楽しむことができない作品だった。


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