カリフォルニア州の森林地帯に、ビッグフットの死体を保管しているドライベックという名のオヤジがいるらしい。そんな話を聞きつけたTV局ディレクターのショーンは、彼を題材にドキュメンタリー番組を作るべく、相棒ダリルとプロデューサーのロビン、そして音響係のケビンを連れて、彼が暮らす山へとやってきた。ドライベックと合流し、彼の住居に案内されると、そこは只事でない雰囲気に満ち満ちていた。周囲に人家はなく、孤立した住居を取り囲むように電流柵が張り巡らされている。更に獣の遠吠えのような音が頻繁に響き渡っており、半信半疑だったショーンはまだしも、ビッグフットの存在を信じているケビンなんかはすっかり怯えきってしまった。そんな中、夜になって事件は起こった。ドライベックにインタビューをしている最中、突然小屋が停電した。何者かが電流柵を破って小屋に近づき、発電機を壊したのだ。加えてその者は、小屋の壁を叩き、引っかき、幾度も破壊を試みる。だがしばらくすると、その者は攻撃をやめて立ち去り、辺りに静寂が戻ってきた。そして翌朝、ケビンはこんな恐怖に耐え切れないと取材班を辞退し、一足先に小屋を離れていった。止むを得ず残った3人で撮影をすることにしたが、本当の恐怖はここからだった。謎の者による襲撃は回数を重ねるごとに激しさを増し、取材チームは1人また1人と命を落としていったのだ…。
ビッグフットを捕えたというオヤジに密着取材を敢行した連中が惨劇に見舞われる、「トロール・ハンター」の後追い映画。邦題がそっくりな「ビッグ・フット・ハンティング」とは違い、きちんと「トロール・ハンター」を模してPOVで進行する。しかし映画終盤において、異なる人物が同時進行的に撮影した映像を、時系列に並べて編集して流していたのはいただけなかった。劇映画のような示唆が露骨に感じられ、観客が登場人物の恐怖体験を共有するPOVの持ち味が発揮できていなかったのだ。POVとしてはカメラの持ち方や撮り方が不自然な箇所が散見され、リアリティに乏しいのも厳しいところ。本作よりも「ビッグ・フット・ハンティング」の方が下手に撮影形式にとらわれていない分、まだ楽しむことができた。