遠い未来。IDGAF社の320研究所では、恐るべき事態に陥っていた。原因不明の奇病が蔓延し、施設内の人間が次々とモンスター化。奴らは正常な人間たちを食らい、施設は血の海に変わり果てたのだ。そんな時、研究所の一室で1人の女性が目を覚ました。腕にSC17と刻印された女性リーナは、部屋を出るなりモンスターに遭遇。危うく命を落としかけるが、救援に来た傭兵部隊によって助け出され、彼らと行動を共にすることとなった。傭兵部隊は施設を脱出しようとするが、病気の拡散を防ぐために出口は全て封鎖されている。9階の制御室に行って、脱出口のロックを解除するしかなかった。武器庫で装備を調達し、幾重ものモンスターの襲撃を掻い潜り、一行は制御室に辿り着く。だがそこで、リーナは施設で行われていた研究の真相と、自身の正体を知ってしまう…。
「エイリアンとCUBEのコラボレーション!」なんて配給会社が謳っているが、実際はどちらにも全然似ておらず、むしろ「バイオハザード」的な色合いが強いSFアクション映画。モンスター化した人間がゾンビのごとく大量に湧いてきて、女主人公や傭兵たちの銃火器でバッタバッタと片付けられていく。舞台を1つの施設内に限定した低予算映画であり、戦闘シーンは攻撃する側とされる側にカメラが寄ってばかりで、いまいち画面に広がりを感じられないのが厳しいところ。そんな本作の特筆すべき点は、モンスターたちのデザインのバリエーションだ。全身の皮膚がひび割れたノーマルタイプから、昆虫のような外見の強化タイプ、外見に大きな変化がなく知性が高いタイプに、全体像が良く分からない巨大触手モンスター、と人型モンスター大量発生映画にしては珍しい変化に富んだデザインで、見ていて飽きさせない。そんな奴らが次々となぎ倒されていくクライマックスは、まるで会社の衣装倉庫をクリアランスしたかのようで、混沌としていながらも異様なまでの爽快感があった。