エイリアン・リベンジ          「評価 D」

大企業が管理する、凶悪囚人を集めた監獄惑星ロブ12。この惑星の職員からの連絡が途絶え、暴動の可能性を察知した企業は、海軍に出動を要請。すかさずリー軍曹やダン中尉らによる小隊が、企業のエンジニアであるシャーマンと共に遠い宇宙の彼方へと派遣された。到着して早々、彼女たちは武装した囚人たちと交戦。辛うじてこれを撃退し、1人の囚人を捕虜にした。ところが囚人の口から語られたのは、驚愕の真実だった。およそ1年前、監獄内に人間を食らうエイリアンが出現し、職員たちは皆殺しにされた。その後企業が派遣した傭兵部隊も一網打尽にされ、囚人たちは傭兵が遺した武器を持って、決死の抵抗を続けていたのだ。先ほどの交戦は囚人たちが小隊をエイリアンと誤認してのことと判明し、両者の誤解は解かれた。囚人と協力して、エイリアンと戦うリー軍曹たち。だがそんな中、シャーマンは監獄惑星の内部で不審な行動をとっていた。実はこの監獄は、囚人の遺伝子を組み替えて未知なる生物兵器を作り出す、研究施設としての側面をもっていた。そのせいでエイリアンが誕生したわけだが、シャーマンはそのデータを入手し、密かに持ち帰ろうとしていたのだ。もし彼がデータを企業に渡したら、凶悪なエイリアンが量産されてしまう。リー軍曹たちと囚人たちはシャーマンを捕まえようとするが、シャーマンは彼らの包囲を難なく掻い潜り、乗ってきた宇宙船を占拠してしまった。更にリー軍曹はエイリアンに捕獲され、監獄の奥深くまで連れて行かれる。そこでダン中尉は他の連中にシャーマンの始末を任せると、単身リー軍曹の救出に向かった…。

超ロークオリティ映像で「エイリアン」を焼き直したストーリーが繰り広げられる、脱力必至なポンコツSFアクション映画。本作のエイリアンは骸骨っぽい頭にスーツを着込んだ胴体と、何処となく「ゴーストライダー」を思わせる出で立ちだ。しかし勿論バイクに乗ってるわけでもないし、変わったアクションをするわけでもない。あるのは唾液が酸になっているという「エイリアン」そのものな特殊体質だけで、格好良さは皆無だった。と言うかコイツとの戦闘シーンは作中でマトモに描写されることがなく、全体像がハッキリ見えるのさえ死の間際になってからなものだから、魅力もへったくれもあったものじゃなかった。どうしてここまでエイリアンを画面に映さなかったのだろうか。本家「エイリアン」と似ても似つかないデザインだからか。観客の興味を引くためか(にしては引っ張りすぎだが)。甚だ疑問だ。
そしてエイリアン以外にも、本作はひどい箇所がてんこ盛りだ。光線銃や爆発のCGはあまりにもお粗末だし、それを駆使した戦闘シーンは見せ方が下手すぎて、何がどうなっているのか全然頭に入ってこない。脚本は例によって重要な話を全部長台詞で説明するので、間延びした演出と相俟って非常にテンポが悪く感じられる。
久しぶりに、すごい作品に遭遇してしまった。


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