高校生のエミーは、同級生とケンカしたせいで停学中。家にいても退屈だろうということで、動物学者の父親ジムに連れられてカナダの雪山に行くことになった。何もない雪山でやっぱり退屈する彼女をよそに、ジムは研究仲間のロブやマーシーと共にオオヤマネコの生態調査を開始する。ところが雪山の監視カメラを見ても、オオヤマネコの姿はまるで見当たらなかった。更に時を同じくして、付近のスキー場では利用客が失踪する事件が続発。山の人々は飢えで冬眠ができなかったクマの仕業と見るが、犯人はそれよりも遥かに恐ろしい存在だった。イエティの親戚と思しき雪の巨人、スノービースト。奴が山の動物たちを根こそぎ食い荒らし、餌を求めて人里にまで降りてきたのだ。研究チームは相次いでスノービーストの襲撃を受け、マーシーとジムが奴の巣穴へと連れて行かれた。そこでエミーは彼らを助けるため、ロブと共に危険な巣穴へと足を踏み入れた…。
いかにも「トロール・ハンター」ライクな邦題をつけられているが、別にモキュメンタリーというわけではない、ごく普通の雪男映画。スノービーストは「ヒマラヤにいるイエティがカナダにいるわけない」という理由でイエティと違う名前を付けられているだけで、外見的にはイエティと何ら変わりない。怪力と鋭い爪で獲物をハンティングしていくわけだが、ファミリー向けを意識しているのか残虐表現は抑え目。大抵はスノービーストと遭遇した時点で場面が切り替わり、珍しく襲撃描写が出てきたとしても、襲われた人間の背後に鮮血が飛び散るのが関の山。クライマックスの対決もアッサリした感じ出し、親戚映画「イエティ」に比べると、モンスターの魅力という点では大きく遅れをとっていた。
またこの映画、独断行動のために1台しかない車を使ったり、生存者の可能性をまるで考慮に入れずに雪崩を起こしたりと、登場人物たちがあまりにも軽率すぎて笑ってしまう。「イエティ」のような素人映画臭さはさほど感じられず、映像面では及第点の出来なのだが、それでもあまり評価はできない作品だった。