ナイトメア・オブ・サンタクロース          「評価 C」

サンタクロースのモデルと言われる人物、聖ニコラス。12月5日は彼の降誕祭であり、アムステルダムの町はプレゼントを贈る多くの人たちで賑わっていた。その晩、フランクたち学生グループは仮装パーティーに参加するため、会場へと車を走らせていた。だが霧が深くなってきたと思ったら、突如武装した謎の集団が出現。車を取り囲み、斧や槍でフランクの友人たちを次々と惨殺していった。フランクは命からがら逃げ延びるものの、直後に駆けつけた警官たちによって殺人容疑で捕まってしまう。武装集団は現場から忽然と姿を消しており、フランクがいくら真実を話しても誰も信じてはくれない。そしてパトカーで護送されていたところ、彼は驚くべき人物に遭遇した。あの聖ニコラスが、醜悪な死霊となり、白馬に乗って街中を駆け抜けているではないか。今でこそ聖人として敬われている聖ニコラスだが、その素顔は虐殺を好む畜生漢だった。血を求める彼の欲望は死して尚尽きることがなく、12月5日の夜に満月が出ると、部下の死霊たちを率いて現世に降臨。民衆を虐殺していたのである。そして今、聖ニコラスはパトカーを破壊し、フランクに襲い掛かった。しかし間一髪のところで、数十年前に聖ニコラスに家族を殺された刑事フートが現れ、火炎放射器で聖ニコラスを追い払った。フートの話によると、聖ニコラスたち死霊軍団を追い払うには、彼らの乗ってきた船を破壊しなければならないらしい。そこでフランクは、フートと共に船の停泊する港へと向かった…。

「小さな目撃者」「ダウン」のディック・マース監督による、ゾンビ映画チックなサンタクロース作品。聖ニコラスは、馬にまたがって民家の屋根の上を駆け巡ったり、杖で相手の首を切断したりと、そこそこの見せ場が用意されているが、全体的に出番は少なめ。聖ニコラス自身よりも、部下のゾンビたち、そして警官たちとの絡みが多い内容だった。しかしこの警官とのやりとりが、「事態を収拾しようとする→警官に見つかって妨害される」のパターンばかりで、ひたすらにストーリー進行を妨げ続けるのでイライラしっ放し。聖ニコラスの正体を隠し続ける人間の陰謀劇も、唐突かつ中途半端に感じられた。聖ニコラスやゾンビ軍団との戦いは見応えあるのに、脚本が足を引っ張って、盛り上がるに盛り上がれなくなっている作品だ。


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