バトル・オブ・ロサンゼルス           「評価 D」

ロサンゼルスに突如巨大UFOが出現。主砲によって都市は瞬く間に火の海と化し、反撃に出た空軍機も尽く返り討ちに遭った。更にUFOからは戦闘機が飛び出し、周辺の軍事基地を壊滅させていく。だがそんな戦闘機の大群に紛れて、旧式のプロペラ機が空軍基地に着陸してきた。ラフリンたち兵士が近寄ってみると、プロペラ機の中から飛行帽をかぶった男が。彼はロジャース大尉。1942年に空軍がUFOと交戦した時に消息を絶った、空軍パイロットだ。ラフリンたちが軍の本部に彼のことを報告すると、第7区域まで彼を護送するようにとの指令が下った。そこにはMJ-12という秘密機関による、宇宙人の研究施設があるらしい。途中、パイロットのソラノ、MJ-12のカーラと合流しながら、一行は第7区域に到着する。ロジャース大尉は施設の面々に歓迎され、米軍の捕虜となっていた宇宙人ケオルと対面。だがその時、ロジャースは豹変。超音波を放って周囲の軍人たちを無力化すると、ケオルに襲い掛かった。彼は宇宙人に改造されて従順なミュータントと化しており、捕虜を始末するために地上にやってきたのだ。カーラたちは何とかロジャースを始末するが、既にケオルは瀕死の状況だった。ケオルは死の間際、カーラたちに対し、自らの宇宙船が隠されている場所を告げる。それに乗れば、UFOに突入して破壊することができるかもしれない。一同は最後の希望に賭け、宇宙船が隠されている地点へと向かった…。

「アバター・オブ・マーズ」のマーク・アトキンス監督による、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」モドキ映画。とは言え母艦の形状&攻撃方法は「インデペンデンス・デイ」で、宇宙船の操縦方法は「第9地区」。宇宙人の歩兵は一切登場しないし、「世界侵略」らしい点といえば、ロサンゼルスを舞台に、米軍の小隊が移動しながら各地で交戦する点ぐらいだ。そんな本作だが、ストーリー性皆無で戦闘シーンこそが全ての内容であるにもかかわらず、その戦闘シーンが壊滅的にダメなのはどういうことか。例えば銃撃ロボットとの戦い。標的を見つけて自動で銃撃する恐ろしい兵器なのだが、こいつは何故か自走機能がついてない。それなら銃撃が当たらないように、こいつを避けて通過すればいいだけなのに、どういうわけか本作の主人公たちはこいつに果敢に立ち向かい、犠牲者を出してしまう。米軍は敵に背中を見せられないのだろうか。恐るべき猪突猛進ぶりである。また冒頭であれだけUFOの脅威を見せ付けておきながら、その後に出てくる戦闘機が拳銃や日本刀(!?)でアッサリ撃墜されていくのも、絶望感が薄まって何だかなあと思ってしまう。そして映画のクライマックス、UFO内部におけるナメクジ宇宙人たちとの決戦は、広いセットを用意できなかったのか、登場人物のアップばかりが連続し、何がどうなっているのか非常に分かりづらい画面となっていた。これでは盛り上がれるはずもない。戦闘シーンが肝心なのだから、もっと拘りを見せて欲しかった。


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