プレデター2012           「評価 C」

19世紀、カナダ北部サマーセット島。ロス率いる小隊が乗る艦船フュリーは、この地に航路を開拓しようとしていたが、原因不明の沈没を遂げた。そして現代、サマーセット島では、ロスの子孫であるジェイムズが探検隊を率いて、フュリーの発掘作業を行っていた。最新鋭の探査機によって沈没船の位置を特定し、氷の中を掘り進め、見事にフュリーを発見。これは歴史的発見になる、と一同は歓喜に沸いた。だが艦船と一緒に、不可解な凍死体が見つかった。それはまるで急速冷凍されたようで、明らかに自然死ではない様子。実は19世紀、サマーセット島に隕石が落下した。ロスたちが様子を見に近づいてみると、中からプレデターが出現。小隊に襲い掛かってきた。プレデターは全身が超低温の重水で構成されており、触れたら最後、たちまち全身の熱を奪われて氷結してしまう。小隊は壊滅的な打撃を受けるものの、ロスの機転によってプレデターを艦船ごと海に沈め、事態を収めていた。しかし今、その艦船フュリーが発掘されてしまった。プレデターは甦り、探検隊の面々を瞬間凍結させていく。更に島を巨大な嵐が襲い、逃げ出すことは不可能に。ジェイムズたちは生き残るために、プレデターに立ち向かった…。

「ライトニング・ストライク」のジェフリー・ビーチ製作による異星人パニック。プレデターは「動く氷像」といった感じの外見で、全身が透き通ったデザインが良好。また氷の怪物は「アイス・クイーン」みたいに火に弱いのが定番だが、本作のプレデターは火に当てられて全身が気化しても死なず、むしろ蒸気の塊となって動き回り、一段と手に負えなくなるからたまらない。何とも執念深く、相当な魅力を放っていた。ストーリーも定番ではあるがツボを押さえた作りをしており、気の利いたラストが決まっている。ただこの映画、VFXが稚拙なのと、プレデターの攻撃方法が相手を凍らせるしかなく、一本調子に感じられるのが難点だ。この2点のおかげで、人間が凍りつく際の貧弱なエフェクトを何度も繰り返し見ることになり、その度に映画の盛り上がりが減衰していったのは残念でならなかった。


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