エイリアン・アルマゲドン           「評価 D」

火星の大艦隊が、突如地球を襲撃した。地球の軍隊は必死に抵抗したものの、相手が圧倒的な戦力だったこと、人類と火星人のハイブリッド生命体・ネフィリムが20年前から地球に潜伏して活動していたことから、敢え無く敗北。僅か1月余りのうちに、各国首脳は降伏を余儀なくされてしまった。以後、地球は火星人の管理下におかれ、人類は巨大な施設に収容されていた。そんな中でジョディは、離れ離れになった娘の身を案じながら、仲間と共にロスアンゼルスのアジトに潜み、抵抗を続けていた。だが火星人襲来から44日目、アジトを火星人に急襲され、彼女も施設に収容されてしまう。そこでは数名の男女が狭い一室に閉じ込められ、火星人から与えられる肉を食べるだけの日々を過ごしていた。ジョディは何度も脱走を試みるが上手く行かず、部屋を抜け出しては戻ってくるばかりだった。しかしある日、ネフィリムの科学者フランシーヌが火星人の命令に背いたことから、制裁としてジョディたちと同じ部屋に収容された。すぐさまジョディは彼女を締め上げ、火星人の目的を問い詰める。するとフランシーヌは、恐るべき事実を語り始めた。火星人の目的は、地球人を家畜化して食料にすることだった。しかし火星人は体質上、同じ火星人の肉しか食べることができない。地球人を食べられるようにするには、体質を変化させる必要がある。そう、収容施設で与えられた肉は、火星人が食べられる肉体に変化させる効果を秘めていた。そうと知ったジョディたちは、火星人の餌にされてはたまらないと、フランシーヌの手引きによって脱走。対抗する武器を入手するために米軍の武器倉庫へと向かったが、そこは既に焼け野原と化していた。最早人類に、打つ手は無いのか。絶望するジョディたちに、フランシーヌは最後の秘策を授ける。それはウイルスに感染した状態で火星人たちに食べられることで、彼らを壊滅させるという自爆戦法だった…。

「トランスフォーサー」のニール・ジョンソン監督による侵略SF。「トランスフォーサー」もそうだったが、この監督の作品はVFXはそこそこだし大まかな筋書きは単純なのに、突っ込み所満載の設定と説明不足な展開、そして思わせぶりな台詞回しが足を引っ張り、非常に取っ付きの悪い内容にしているのは何とかして欲しいところだ。本作の場合、それらのおかげで登場人物たちが物凄くおバカに見えてしょうがなかった。例えば、火星人たちがネフィリムと人間を同じ部屋に収監する行為。ネフィリムが重大な秘密を喋る危険性をまるで考慮に入れていないし、そもそも部屋には監視カメラはあれどマイクの類は一切ない。室内でどんな会話がされているのか少しも把握せず、まんまと作戦を立てられて脱走されるのだから大したものだ。火星人がこの有様なら、対抗する主人公勢も似たような感じで、噴飯モノの自爆戦法で反撃を試みる。反抗した科学者が自ら投降してきた時点で怪しまれるに決まっているし、食べる肉体ぐらい検査するのが当たり前だろう。どう考えても成功する見込みのない作戦だが、更にその結末がどうなったか、説明不足すぎてよく分からないから困りもの。ラストも唐突すぎるし、あまりにも理解しがたい映画だった。


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