マークたちロックバンドの面々は、ライブ会場に向かうため、携帯電話も通じない田舎道で車を走らせていた。脇見運転をしていたところ、突如前方にブタみたいな顔をした醜い少年が。慌ててハンドルを切り、車は側溝に嵌まる。しかし醜い少年は、忽然と姿を消していた。マークたちは怪訝に思いながら、救援を呼ぶため、数名を車内に残して近くのガソリンスタンドに行った。だがその間、何者かが車を襲撃。ガソリンスタンドが閉まっていたのでマークたちが戻ってくると、既に車はもぬけの殻となっていた。ふと見ると、近くに明かりのついている小屋があった。小屋を覗いてみると、車にいた者たちが檻に閉じ込められている。そしてブタの顔をしたオヤジと先ほどのブタ少年が現れ、彼らを1人ずつ引きずり出しては、バラバラに解体していくではないか。エノ・テクノロジー社の人体実験により誕生した、ブタと人間のハイブリッド生物、豚人間。それが研究所を脱走して家を構え、通りがかった人間をハンティングしていたのである…。
田舎に暮らす豚ファミリーが都会の若者を地獄に突き落とす、「悪魔のいけにえ」タイプの殺人鬼ホラー。殺した人間のパーツを天井から吊るしている光景とかモロに「悪魔のいけにえ」だが、豚人間のキャラはなかなか強烈だった。鼻と耳がブタになっているだけのシンプルなデザインで、鼻をブヒブヒ鳴らしながら淡々と殺人をしていくのが、シュールであり、恐怖を誘う。またブタオヤジが事後処理のしやすいように人を殺しているのに対し、ブタ息子はあくまで快楽重視で、頭をハンターで叩きつぶしたり、両手に持ったナイフ2本でメッタ刺しにしたりと、本当に容赦が無い。ブタ息子は中盤からピエロのメイクを施して人間を襲い始め、恐怖感が5割増しになっていた。でもこのブタ息子、せっかくオヤジ以上に強烈なキャラをしているのに、後半は全く出番がないのが至極残念だった。