メタル・トルネード 「評価 C」
ペンシルベニア州チェスター郡にある、ヘリオスワールド社の研究施設。ここでは今、クリーンで無限のエネルギーを生み出すための実験が行われていた。太陽フレアに含まれている荷電粒子を人工衛星でキャッチし、磁力に変換して地上の施設に送ることで、何のコストも無くエネルギーを得ようとしたのだ。結果、実験は成功し、地上の施設には膨大な電気エネルギーが蓄えられた。早速ヘリオスワールド社はこの技術を実用化するべく動き出すが、計画に関わっていた科学者の1人、マイケルは不可解なことに気づいた。人工衛星が捉えたエネルギー量に比べて、地上に蓄えられたエネルギー量が2パーセント少ないことに。実は地上の施設だけでは受容できなかった一部のエネルギーが、別の地点で収束。巨大な磁気竜巻となって、全米を移動しながらあらゆる金属を飲み込んでいたのである…。
「金属を吸い寄せる磁気竜巻」という斬新な題材のカナダ産パニック映画。でも斬新なのはいいとして、普通の竜巻が何でも吸い寄せるのに対し、本作の磁気竜巻は吸い寄せるのが金属に限定されている。そのため、根本的に竜巻の劣化版という感じがしてならなかった。一応本作の磁気竜巻にも、自然消滅しない点や、電波を妨害する点といった、普通の竜巻に負けないセールスポイントは存在するのだが、それが災害描写に全く活かされていない。特に電波妨害は、避難勧告が出せなくて人々が逃げ遅れたり、孤立して助けを呼べなくなったりと、色々災害を盛り上げられそうな要素なのに、そういった工夫は見られず、せいぜいラジオや携帯電話が使えなくなる程度の描写しかされない。主人公一家が協力しながら危機を乗り越えていく脚本は悪くないだけに、この企画倒れな感じは何とかして欲しかった。
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