マンドレイク 人喰い植物のえじき       「評価 C」
マッコールたち探検家の一団は、大富豪バルガスに雇われ、南米のジャングルへと足を踏み入れた。密林の奥地にある、スペインの征服者の墓。そこに副葬品として納められているという、一本の短剣を探してきて欲しいというのだ。やがて彼らは墓に辿りつき、その中に突き立てられていた短剣を発見する。墓には古代文字で警告文らしきものが書いてあったが、マッコールたちは一刻も早く持ち帰って金を受け取りたかったので、ろくに眼を通さずに短剣を引き抜いてしまった。とその瞬間、墓の底から幾つものツタが触手のように伸びてきて、彼らに襲い掛かってきた。数百年前に征服者を追い払うため、原住民の長老が召喚したという、森の守護神マンドレイク。役目を終えて短剣で封印されていたそいつが、今ここに甦ったのだ。慌てて逃げ出すマッコールたち。だが彼らを狙う敵は、マンドレイクだけではなかった。事態を察知した原住民たちが、マンドレイクに生贄を捧げるため、侵入者たちを次々と捕獲していたのである。更には大富豪バルガスも自ら現地に乗り込み、事態は混迷の一途を辿った…。
探検隊と大富豪と原住民とマンドレイクが大密林で四つ巴の争いを繰り広げる、「マンティコア vs USA」のトリップ・リード監督によるオカルトモンスター映画。マンドレイクは無数の枝やツタが集まって巨人のような姿を象っており、4本足で地面を這うように動き回る。その重量感溢れるデザインはカッコイイのだが、マンドレイク本体と人間が同じ画面に映ることが滅多になく、どういう風に襲い掛かっているかイマイチ分かりにくいのはマイナスだった。またこいつ、戦闘シーンも今ひとつな印象。本体が出現しない段階では、当然ながら遠くからツタを伸ばしての攻撃がメインとなる。映画中盤になって本体が姿を現すと、いきなり人間を食虫植物のように体内に取り込んで殺すという、これまでになかった攻撃方法を見せてくれた。さあ、これからどんな戦いを見せてくれるんだ…と期待に胸を弾ませたが、巨体を活かした攻撃はそこだけだった。その後は以前と変わらぬツタ攻撃ばかり繰り出し、でかい本体を出現させた意味をろくに見出せないまま、クライマックスの戦闘が終わり、映画は幕を閉じてしまう。退治シーンは痛快さに欠けるし、何ともガッカリなモンスターだった。
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