新トレマーズ モンゴリアン・デス・ワームの巣窟 「評価 C」
中央モンゴルのどこかに存在するという、チンギス・ハーンの墓。そこには大量の財宝が埋葬されており、見つけたものは巨万の富を得られるらしい。そこで考古学者のダニエルが墓を探していたところ、保安官に頼まれ、希望の医師団に所属するアリシアたちを近くの村まで送り届けることになった。だがその直後、彼らは同じく墓を探している地元マフィアに捕まり、アジトに連行された。ダニエルたちは隙を見て逃げ出し、マフィアがそれを追撃しようとした。とその時、無数の巨大な芋虫モンゴリアン・デス・ワームが出現し、マフィアを全滅させた。近くにある掘削プラントでは、地中の永久凍土層に熱湯を流し込んで融解させ、石油を採掘するという実験が行われていた。しかし永久凍土層を溶かしたことで、そこに眠っていたモンゴリアン・デス・ワームが復活。プラントを根城として、周辺の住民たちを襲い始めたのだ。ダニエルは無事アリシアたちを村に送り届けるものの、デス・ワームの脅威は村にまで及ばんとしていた…。
「アイス・ツイスター」のスティーヴン・R・モンロー監督による、芋虫パニック映画。もちろん「トレマーズ」とは無関係な内容だが、作中に登場するモンゴリアン・デス・ワームの容姿は「トレマーズ」のグラボイズそのものと言っていいレベルに酷似していた。グラボイズと違うところといったら、そんなに重量がないので普通の芋虫さながらに壁を這いまわれる点と、長い舌を飛ばすことで遠くの人間を捕獲できる点。特に後者は本作の大きなウリとなっており、様々な場面で多用されていた。でも本作、「トレマーズ」に比べると、残念ながら作品としての魅力は大きく劣っていると言わざるを得なかった。何より不満だったのが、退治方法の平凡さだ。「トレマーズ」のグラボイズは異様にタフなことから、退治方法が一風変わっており、それが作品の面白さに大きく貢献していた。しかし本作のモンゴリアン・デス・ワームは銃撃であっさり死んでしまう虚弱野郎で、凝った退治方法など当然お目にかかれなかった。クライマックスで出現する女王も、体がでかいだけでこれといった特徴もなく、やはりありきたりな手段で倒されてしまう。製作側も「トレマーズ」と比べられることは承知しているはずなのだから、もっと怪物との戦いに工夫をして欲しかったところだ。
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