ゾンビハーレム              「評価 A」
離婚して傷心中のヴィンスを励ますため、マイキーたち友人6名は彼を旅行に連れて行くことにした。パツキン美女のキャンディが運転するバスに乗り、一同が向かう先は、四方を森に囲まれた陸の孤島ムードリー。マイキーの生まれ故郷であるこの田舎町には、女性の人口が男性の4倍という夢のような秘密があった。女たちは常に男に飢えており、一度足を踏み入れたら最後、ギャルに取り囲まれてモテモテウハウハのハーレム状態を体感できるというのだ。一同が話を聞いて期待に胸を膨らませる中、バスはムードリーに到着。男どもはいそいそとバスを降り、町の中を歩いてみた。しかし、どういうわけか人影が無い。それどころか至るところに腐臭がたちこめており、ただ事ではない様子。そして散策の果て、彼らはようやくウェディング姿に身を包んだ女性を発見する。と思ったら彼女、牙を剥いて襲い掛かってきたではないか。他の女たちも一様にゾンビと化しており、ヴィンスたちに群がってくる。こんなの望んでたハーレムじゃない! とモテモテのヴィンスたちはバスに戻ったが、キャンディも既にゾンビ化しており、とても乗れる状況ではなかった。実はこの町、ある極秘実験により、女だけがゾンビ化するウイルスが蔓延していたのである…。
あのブッ飛び痛快スプラッター映画「エイリアンズ」(もちろん2005年に製作された方)のジェイク・ウエスト監督によるホラーコメディ。何よりも女ゾンビたちのキャラが魅力的だった。骨董屋の剣を振り回す剣士ゾンビ、両手のハサミでチョキチョキ切断する美容師ゾンビ、包丁で指を切断して食べるのが好きな肉屋ゾンビ、巨体でボディプレスをかましてくるババアゾンビなど、それぞれ単体で主役を張れそうな強烈な個性をもったゾンビたちがワラワラ出てくるものだから、非常に濃い内容となっていた。対する男どもも、アイアンでゴルフボールを飛ばしてゾンビを攻撃したり、ラジコンに男の生首を乗せゾンビたちを誘導したり、女装することで女ゾンビに見つからないようにしたりと、次から次から珍作戦を繰り出して飽きさせない。「エイリアンズ」に比べると若干痛快さに欠けるところもあるが、ラストのオチもいいし、安心して楽しめる作品だった。
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