世界侵略2012              「評価 D」
紀元前7世紀、マヤ文明を統治してたパカル王は、世界の終末を予言した。西暦2012年に他の星より脅威が襲来し、世界は滅びを迎えるという。そして2009年、メキシコでは2つの事件が発生した。湖に小さい隕石が落下し、付着していたバクテリアによって人々が死滅。また郊外の道路では、娘とドライブをしていた夫婦が、エイリアンに拉致された。世界トップクラスの大企業・オワルテック社のオーウェン教授は、これらの事件を予言の前兆と見なし、考古学者のグラコをはじめとする、各方面のプロフェッショナルを集めたチーム7を結成。エイリアンの正体と目的を調査させることにした。その結果、地球にやってきた宇宙人には、プレアデス星人とゼータ・レチクル星人の2種類がいて、中でもプレアデス星人は地球人に敵意を向けていることが判明。そこでゼータ・レチクル星人との接触を試みようと、彼らの乗るUFOを追跡することにした。途中、オーウェン教授が何者かに襲われるトラブルがあったものの、チーム7の面々は、ゼータ・レチクル星人の住処となる岩山を発見。彼らと邂逅し、ファースト・コンタクトに臨んだ…。
2012年人類滅亡説の本場(?)メキシコによる、終末SF映画。シリーズ物の第一作であり、本作だけではストーリーが完結せず、ラストで次回作に続くことが明示される。しかし本作、続きを見たいという求心性がまるで感じられないのには参った。この映画の難点は、やたら唐突な場面転換をして話の腰を折りまくることに尽きる。それが特に顕著だったのが、ゼータ・レチクル星人の居住地を探す後半部分だ。都心部に出現したUFOに逃げられるものの、UFOに追跡装置をつけていたおかげで、山林でUFOを発見する。さあ追跡の再開だ──と思ったら、「装備が必要だ」とあっさり撤退。次のシーンでは会社に戻っており、せっかく盛り上がったテンションを見事にクールダウンしてしまうのだ。そして装備を整え、ヘリに搭乗した一行は、UFOの本拠地である岩山に突入。プレアデス星人との交戦を経て、ゼータ・レチクル星人たちと初遭遇する。彼らの発する光線により英知を垣間見て、さあこれからどうなる──と盛り上がってきたところで、いきなり場面が移り変わり、チーム7が帰路についている様子が映し出される。「えっ、どうして帰るの?」と疑問に思うが、その後の会話では疑問に答えてくれず、ただ「岩山でゼータ・レチクル星人に会った」ということしか語られなかった。まるで盛り上がる箇所を意図的に排除したような脚本で、物凄く理解に苦しんだ。
TOP PAGE