エイリアン・プラネット 「評価 D」
科学研究所では、オハラ博士が議員や科学者たちを集め、新発明のお披露目を行っていた。このたび彼女が発明したのは、核融合により膨大なエネルギーを生み出す装置と、そのエネルギーで次元の壁を越え、平行世界の様子を観察できる機械だった。ところが作動させた矢先に機械が暴走し、研究所は強い光に覆われた。そして気がつくと、研究所は丸ごと平行世界にワープしていたのである。そこは凶暴な肉食エイリアンが跋扈する密林地帯。議員や科学者たちはエイリアンたちに捕食され、次々と命を落としていった。元の世界に戻るには、核融合装置を動かすための大量の水が必要だ。そこでテヘラン帰りの警備員シンは、オハラたちと共に研究所の外に出て、水源を探すことにした…。
「エイリアン パンデミック」のビリー・オブライエン監督による異世界トリップ映画。出てくるエイリアンは複眼とでかいアゴが特徴的なデザインをしているが、VFXが拙く画面から浮いている上、襲撃シーンでは襲われる人間ばかりが大写しにされ、どんな攻撃をしているのかがイマイチ分からないのが難点だ。でもそんな瑕など些細なものと思えるぐらい、本作には深刻な欠陥があった。それは登場人物たちの危機意識の薄さである。エイリアンによって死者が出ているのに「せっかく異世界に来たんだから探検しましょう」なんて言い出したり、エイリアンの死体を小突いて猛毒の血液を噴出させたりと、やたらと軽はずみな行動をとりまくる。それで死ぬのが軽率なことをした人間だけならば自業自得で勧善懲悪でオールオッケーなのだが、本作ではその巻き添えで何人もの死者が出ており、ひたすらに遣る瀬無い。プロットも平凡で目を引く点は無いし、あまりにも不満の残る作品だった。
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