デッドタイム・ストーリー おとぎ話は血の匂い(別題:子供に聞かせられない 残酷!グリム童話)「評価 B」
夜。なかなか眠りにつけないブライアン少年は、マイクおじさんにおとぎ話をせがんだ。でも「怖い話にして」なんて注文しちゃうものだから、煩悩だらけのマイクおじさんが語るストーリーは子どもにはトラウマ必至なものばかり。おかげでブライアン少年は寝ついたとしても、すぐに怖い夢を見て目を覚まし、何度もおとぎ話をせがむのだった…。
というストーリーを主軸にした本作は、エログロ&ブラックユーモア満載な3つのおとぎ話が語られるオムニバス・ホラーだ。
1つ目の話は、遠い昔が舞台。森に住んでいたピーター少年は、魔女の姉妹・ハナゴールとフロリンダに拾われた。彼はお金と食べ物を恵んでもらう代わりに、姉妹の仕事の手伝いをすることに。2人の目的、それは一番下の妹マゴーガの復活だ。マゴーガは肉体を失って心臓だけの姿となっており、復活には生贄となる娘が必要だった。そこでピーターは姉妹に命じられ、町娘のミランダを誘拐することに。首尾よく誘拐には成功するが、ピーターはミランダに一目惚れし、儀式に参加するフリをして彼女を救い出そうとした…。
2つ目の話は、現代版赤ずきんだ。赤いジョギングウェアを愛用する高校生のレイチェルは、薬局から貰った薬を祖母の家に届けた。ところがこの薬局、間違えてウィリーという男の薬をレイチェルに渡していた。それを知ったウィリーは大慌て。なぜなら彼は狼男。今晩は満月が出るので、薬を飲まないと凶暴な狼に変身してしまうのだ。ウィリーはレイチェルの祖母から薬を奪おうとしたが、祖母は警戒し、決して彼を家に入れてはくれなかった。そして夜になり、ウィリーは狼に変身。家に侵入し、祖母に襲い掛かった。そのころレイチェルは、恋人と小屋の中でセックスに励んでいた…。
3つ目の話も現代が舞台だ。陽気な小春日和、森の中に熊さんの一家がいた。精神病院に収容されていたベアーファミリーは、車に乗ってまんまと脱走。方々で強盗殺人を繰り返しながら、かつて住んでいた家に帰ってきた。しかしその時、家には連続殺人犯の超能力少女ゴルディと、彼女が殺した死体たちが住んでいた。あわや激突かと思いきや、両者は意気投合し、家で一緒に暮らすことに。森の一軒家で血肉と超能力に溢れた日々を過ごす一同。そんなある日、みんなでレストランで外食していると、TVで警官隊が家に強行突入するニュースが流れてきた…。
第1話はマゴーガが復活する場面の、グロテスクな特殊メイクが秀逸。第2話はピンク要素が全開。第3話はキ○ガイネタが危険な香り。いずれの話も異なる魅力に溢れていて楽しめた。特に第3話は、死体と愉快におままごとをしたり、人間の指をちぎって花占いをしたりと、明るく楽しくおぞましくなノリがモロにロイド・カウフマンのトロマ映画。オチも脱力系で、トロマファンにはたまらない内容だった。
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