ターミネーター・ソルジャー          「評価 B」
中米の湿地帯で極秘実験中の科学者たちが、何者かに襲われて行方不明に。米軍はこれをテロリストの仕業と説明し、タイラーたち荒くれ者そろいの特殊部隊と、CIAのカサンドラを現地に派遣した。湿地帯に着いたタイラーたちは、頭蓋骨の中身が吸いだされている変死体を目の当たりにし、相手がただのテロリストでないことを予感しつつ森の中を進む。やがてテロリストと思しき武装集団と遭遇し、銃撃戦の果てにこれを制圧した。ところが彼らの装備は米軍のものであり、米軍兵であることは誰の眼にも明らかだった。彼らはここで何をしていたのか。カサンドラも「ここで何らかの実験が行われている」ということ以上は知らされておらず、タイラーたちは怪訝に思いながらも、撤退を始めようとした。だがその時、ヤツは突然現れた。米軍が極秘に開発した、サイボーグ兵士E16。実験中に暴走し、際限なく殺戮を繰り返しているコイツを処分すること。それがタイラーたちに与えられた、本当の任務だったのだ…。
全身武装のサイボーグが大自然を血に染める、SFコマンドアクション。サイボーグが暴れる映画ということで邦題には「ターミネーター」と付いているが、本作のサイボーグE16は光学迷彩で透明化し、サーモグラフィみたいな視界で獲物を捉えており、どちらかと言うと「プレデター」に近い感覚だ。そいつがレーザー光線とチェーン射出で獲物を仕留めていくわけだが、その殺され方が、脳味噌を吸われ、モツがこぼれ、頭が弾け飛び──と、いちいち惨たらしさ抜群で目を引いた。また改造する際に投与された薬によって脳内物質が欠乏し、その補充のために脳味噌を食らうという設定も、サイボーグを単なる無慈悲な殺戮者にしない点で上手く作用していた。ストーリー自体は平凡でも押さえるところはしっかり押さえており、なかなかに楽しませてくれる作品だった。
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