グランド・クロス ドゥームズデイ・プロフェシー 「評価 C」
世界各地で続発する天変地異。黒海が消滅し、ニューヨークは地中に沈み、イタリア全土が水没する──。科学者たちが原因を調査したところ、巨大なブラックホールが地球に近づいていることが判明。その影響で重力が変動しており、太陽系の惑星が直列に並んだとき、ブラックホールは最接近して地球全土が崩壊するというのだ。ブラックホールへの対抗手段はなく、各国首脳は世界の終末を静かに待つばかりだった。そんな中、出版社に勤めるエリックは、予言者ルパート・クレインに呼ばれてカナダのブリティッシュコロンビアへと向かった。ところが彼の家についてみると、ルパートは椅子に座ったまま、老衰で亡くなっていた。彼の前には一本の杖が置かれており、エリックは何の気なしに杖に触れてみる。するとその時、エリックの頭の中に無数の映像が駆け巡った。ルパートの力を引き継いで、予知能力に目覚めたのである。世界終末を予見していたルパートは、自身の死が間近であることも見抜いており、代わりの者に終末を止めてもらうべくエリックを呼んだのだ。そうと知ったエリックは、同じくルパートに呼ばれていた考古学者のブルックと共に、杖の予言を頼りにブラックホールを消滅させる方法を探すことにした。その結果、カナダの地下に埋まっているモアイ像が最悪の事態を防ぐカギだと分かるが、一方でFBIが、2人のことをルパート殺害容疑で追跡していた…。
「ヘルファイアー」のジェイソン・ボルク監督による終末パニック映画。「グランド・クロス レボリューション」と違ってちゃんと天変地異にグランドクロスが関わっているが、「モアイ像は古代人が作った地球防御装置だったんだよ!」なんて超文明ネタは「〜レボリューション」に通じるところがあった。そんな本作の見所は、てんこもりな災害描写だ。冒頭の黒海消滅から、地震に火山噴火に洪水に地盤沈下と、低予算ながらも大規模災害が目白押しで終末感を否応にも盛り上げてくれた。しかし一方で、エリックの予知能力が便利すぎるのは気になった。これから起きる事象を事前に予知しちゃうものだから、「銃を持った男が襲撃してくるから裏口から逃げよう」とか「この人は話が分かる人だ、敵対する必要は無い」とか、あらゆる状況を苦もなく潜り抜けていってしまう。おかげでどんなピンチに陥っても「予知で何とかするだろ」と危機感が湧いてこず、作品の緊張感を大きく減退させていた。
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