半魚人の逆襲             「評価 C」
大アマゾンのブラックラグーンにて、ついに半魚人が捕獲された。半魚人はフロリダのオーシャンハーバー水族館へと移送され、水槽の中で鎖に繋がれ一般公開される一方で、学者のクリートやヘレンの手によって研究されることになった。しかし知能を確かめるために電撃棒を使っていたところ、半魚人は激高。鎖を引きちぎって脱走し、海に姿を消してしまった。それから数日が過ぎ、半魚人についての目ぼしい目撃情報が出ないことから、世間は半魚人が死亡したか、あるいは故郷へ帰ったものと判断した。クリートとヘレンは急速に仲を深め、2人で海辺のバーに繰り出した。だがそこに、半魚人が出現。奴はクリートを払いのけると、ヘレンを攫って逃亡した。クリートはすぐさま警官隊を呼び、半魚人の追跡を開始する…。
ユニバーサルの名作「大アマゾンの半魚人」の続編。今回の半魚人は序盤のうちから登場し、相変わらずのスピーディーな泳ぎで魅了してくれる。特に水上から放たれる何発もの弾丸を華麗にかわすカットは、今見ても色あせない迫力があった。だがこの映画、半魚人が捕まって見世物にされた途端、急速につまらなくなってしまった。鎖につながれる半魚人の姿は物悲しく、電撃棒を使った知能テストも痛々しくて楽しめない。映画の後半ではいよいよ脱走し、タイトル通りの逆襲が始まるのかと思いきや、半魚人はろくに人を襲わず、コソコソ身を隠しながら一目惚れしたヘレンを捕まえるために暗躍するだけなのだ。結局半魚人は武装した警官隊に成す術なくやられ、全く見せ場を作れぬまま映画は終了する。これが前作で猛威を振るっていた、あの半魚人の映画なのか。まるで田舎でブイブイ言わせてた不良が都会に出たら爪弾きにされてしまったような、凄まじい無常感の漂う内容だった。
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