ザ・アイス 「評価 C」
アラスカ州のフェアバンクス。トラック野郎のジャックとニールは、鉱山に爆薬を届けに行くついでに、環境調査委員のレイチェルも乗せていくことになった。ところが3人が現場についてみると、そこは無数の死体が転がり、酸鼻に堪えない有様と化していた。数時間前、作業員たちがダイナマイトで坑道を掘り進めていたところ、イヌイットの伝説に出てくる怪物ウェンチュクミシュトゥ──通称ウェンチュが地底より出現。作業員たちを血祭りにあげていったのだ。そして今、ウェンチュはジャックたちの前にも姿を現した。慌てた3人は生き残っていた作業員と共に、トラックに乗って逃げ出した。しかしウェンチュは氷の下を泳ぐことで、トラックよりも遥かに速いスピードで先回りしてくる。すぐにジャックたちのトラックは破壊され、彼らは行きつけのガソリンスタンドに避難することにしたが…。
「ニューヨーク大地震」のテリー・イングラム監督によるモンスターパニック。ウェンチュは地面を這う巨大なトカゲで、全身が白黒の縞模様をしているのがチャーミング。襲撃シーンでは大量の血糊を豪快に飛び散らせてくれるのだが、肝心の「怪物が人間を殺す光景」が画面に映されないのは不満だった。具体的にどうやって攻撃しているのか全く分からず、怪物の魅力を大いに削いでいたのだ。
そんな本作の見所は、中盤に展開するトラックでの逃走シークエンスだ。怪物がトラックに乗っかる、荷台が燃える、路面が割られる──といったトラブルをジャックたちが華麗なドライビングテクニックで回避していく様は、テンポのよい演出も相俟って実に楽しかった。
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