アイス・クエイク           「評価 B」
アラスカのフェートン山。クリスマスイヴの日、地質学者のマイケルは久しぶりの家族サービスをしようと、妻や子どもたちと一緒に山に登り、家に飾るクリスマスツリーを探すことにした。だが山の中腹を歩いていたところ、突如として巨大地震が発生。雪崩によって車を流され、マイケルたちは遭難の憂き目にあってしまった。更にクレバスからは超低温のメタンガスが噴出し、触れるものを片っ端から凍らせていく。山の地下空洞に埋まっていたメタンが、地上に漏れ始めたのである。その後、マイケルたちはメタンガスを回避しながら、無事救助隊に保護された。しかし超低温メタンの噴出は留まるところを知らず、このままでは地上の全てが凍り付いてしまう。そこでマイケルは、地下空洞の道を塞ぐことでメタンガスを石油備蓄庫に誘導し、石油を燃焼させることで一気にメタンを片付ける作戦に出た…。
「グランド・クロス レボリューション」のポール・ジラー監督による、地下空洞に潜むガスの恐怖を扱ったパニック映画。ガスを題材にした作品と言えば「コンバッション」「ファイアー・フロム・ビロウ」など幾つか存在するが、本作はメタンの沸点の低さに着目し、「液体から蒸発したばかりの超低温メタン」を扱ったのが個性的。「そこはすべてが凍る白い地獄」というプライムウェーブの宣伝文句に偽りなく、クレバスを飛び越えようとしたらメタンにより全身が凍って即死したり、間欠泉のごとく噴出したメタンでヘリコプターが操縦不能になって墜落したりと、その超低温の恐ろしさを存分に描き出していて楽しかった。行方不明になっていた飼い犬のイエティがクライマックスで思わぬ活躍を見せるのも、犬好きとしてはグッドなところだ。ただこの映画、作中で変人扱いされていたメタンの専門家が何の見せ場も無く退場したのは理解に苦しむところだ。
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