キラー・マウンテン           「評価 B」
未登頂の山では世界最高峰とされる、ブータンの霊峰ガンカー・プンスム。製薬会社を営むバートンは一流の登山家たちを集め、この山の探索活動を行わせていた。ところがある日、登山隊は消息を絶ってしまう。困ったバートンは、引退した登山家ワードのもとを訪れ、隊の救助活動を依頼した。ワードは初めは乗り気でなかったものの、登山隊を率いていたのが元恋人のケイトであると聞き、ブータンに向かうことを決意した。かくして現地に到着したワードたちは、無惨に荒らされた野営地に顔をしかめつつも、ケイトたちの捜索にとりかかった。しかし山を登るうち、彼らは重大な秘密を知ってしまう。そもそもバートンが山を調べていたのは、山の奥深くにあるという伝説の都・シャンバラの秘薬を求めてのことだった。ケイトたち登山隊はシャンバラの入り口を発見し、岩で閉ざされた道をダイナマイトでこじ開けた。だがそこは、開けてはならない禁断の道だった。突如岩の奥から怪物の大群が現れ、登山隊に襲い掛かったのである…。
「烏」「U.M.A.ライジング」のシェルドン・ウィルソン監督による、モンスターパニック登山アドベンチャー。まず目を引くのが怪物のデザインだ。ナウシカの王蟲みたいな複眼&装甲に、鋭い牙を生やした口、そしてワニのような足をムカデのごとく何対も持つ、実に異形な容貌をしている。こんな奴が群れをなして壁や床を這い回る様は、上出来なVFXもあって何とも壮観だった。ただ見た目のインパクトに反して、作中では大した活躍をしてくれないのが残念なところだ。むしろ本作で輝いていたのは、「キラーコンドーム」みたいな風貌の幼生態の方だ。こいつ自体は平凡なビジュアルに加え、噛みつくしか芸がないものの、地面を覆うほどの大勢で群れをなして襲い掛かってくる様は相当なインパクトがあった。
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