女性鬼 「評価 B」
原発を臨む住宅街。ここに暮らす女学生ドーンは、セックスというものに恐れを抱いていた。そこで婚前交渉を禁ずる純潔団体に入った彼女は、同じ団体で活動するトビーと出会い、仲を深めていった。だが岩場でデートしたとき、トビーが突然発情。ドーンを押し倒すと、男根を無理矢理押し込んできた。ドーンは泣き叫び抵抗するが、盛りきったトビーはセックスをやめようとしない。ところが、その時だった。トビーはうなり声を上げ、ドーンから離れた。その股間にあるはずのペニスは消えており、ドーンの膣からこぼれ落ちた。実はドーンは、ヴァギナに歯が生えている特異体質の持ち主だった。膣内の異物に嫌悪感を覚えると歯が伸びて、ペニスを食いちぎってしまうのだ。そうと知ったドーンは、自らの運命に苦悩する…。
マンコがチンコを食らう、「キラープッシー」みたいなコンセプトのホラー映画。女性器が男根どころか人体まで丸呑みにしてしまう「キラープッシー」よりは遥かにリアル志向な内容で、実際にあるかもしれないギリギリのラインをついている。だからこそ切断された下腹部から折れた歯が摘出される場面では、その痛々しさから身震いするほどの戦慄が感じられた。それは作品の登場人物たちも同様で、マンコに噛まれた男たちは恐怖のあまり、何も喋れない廃人と化す。そのため警察が全く動くことができず、ドーンによる犠牲者は増え続ける──という展開も説得力があった。しかしこの映画、有歯ヴァギナの存在について神話のモチーフを引用する一方で、その発生原因として原発の存在を匂わせているのは、神聖さもへったくれもなくミスマッチに思えた。
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