ファイナル・デッド                「評価 B」
ジョンとマットの兄弟は、動物保護の活動をしていた叔父の別荘を譲り受け、友人のサラたちと別荘のある孤島へとやってきた。島は人の気配がまるでなく、彼らは気ままにバカンスを満喫する。途中、サラが凶暴な野犬に噛まれる事件もあったが、もし狂犬病をもっていたとしても発症するには一週間かかるので、すぐには帰らず、もう数日だけ孤島で楽しむことにした。だがある日、島内を歩いていたジョンとマットの前に、血まみれの男が現れた。彼は「奴らに殺される」とだけ告げると、倒れて崖から転げ落ちた。すると崖の下では、無数の野犬が彼に群がり、血肉を食らい尽くしているではないか。かつてこの島は、戦闘犬の訓練場だった。軍は遺伝子操作により、高い知性と狂犬病をもった改造犬を作り上げていたが、ある時を境に研究は凍結され、施設は閉鎖。以来この島は、置き去りにされた改造犬が支配する、情無用のドッグランと変わり果てたのだ。ジョンたちは改造犬の群れから逃げ回りながら、島から脱出する手段を模索するが…。
ウェス・クレイヴン製作のワンワンパニック映画。大勢の犬が画面狭しと暴れ回るが、本作の犬は軍が改造したという設定のため、登場するのは軍用犬であるシェパードばかり。犬パニックの先達「ドッグ」ではバラエティ豊かな犬がワラワラ出ていたのに比べると、画的に少々物足りない。しかし一方で、ジャンプや泳ぎといった諸々のアクションは、さすがシェパードだけあって十分見栄えのするものになっていたので、どちらが良いかは一長一短と言えるだろう。また本作の犬たちは、高い知性を持っているのが特徴。群れで統率のとれた動きをして、次々と人間を罠にはめていく様子は恐怖感満点だった。ラストのオチが弱いものの、手堅く楽しめる作品だ。
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